全農ニュース|元イトーヨーカ堂社長戸井和久氏が全農改革チーフオフィサー就任

全国農業協同組合連合会(JA全農)が今日、新しい人事を発表した。
「平成29年4月1日付けで元イトーヨーカ堂代表取締役社長の戸井和久(とい かずひさ)氏を採用することとしました」

戸井氏はもちろん、昨年1月8日まで、セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂の社長だった。当時の鈴木敏文セブン&アイCEO兼会長に対して、「辞表をたたきつけた」といわれる辞任の仕方をしたのが、戸井氏だ。その後、イトーヨーカ堂は急遽、前社長の亀井淳氏が社長に復帰し、さらに今年3月1日付けで三枝富博に引き継がれた。

全農はコメントしている。
「戸井氏は、大手流通業界での経験を活かし、全農販売事業のバリューチェーンの確立を目指して、理事級の処遇のチーフオフィサーとして業務を執行します」

つまり日本の農業の元締めの役を果たす全農で、販売面のチーフオフィサーとして、改革を先導するのが、今回の戸井氏の役割。

2008年夏、イトーヨーカ堂は千葉県富里市で農業生産法人「セブンファーム富里」を設立した。この時に、(株)セブンファーム富里の代表取締役社長としてこの案件を主導したのが、当時、イトーヨーカ堂執行役員販売事業部長だった戸井氏だ。つまり農業経営の経験を持ち、なおかつチェーンストアのトップマネジメントのキャリアを持つ。その戸井氏が全農の10人の理事の一人となって、チーフオフィサーの役を担う。

この人事は、全農を変えるに違いない。チェーンストアの経営トップが実践で力を振るう構図は、全農組織を活性化させるだろう。まして、あのような辞任のし方をした戸井氏だけに、今回の意気込みは並大抵のなものではないに違いない。もちろん、官僚化した全国組織を動かすには、これまた想像を絶するパワーを必要とする。

しかし、戸井氏はその突破口となるだろう。大いに期待したい。(結城義晴筆)

[付記]全農のニュースリリースが略歴を表記している。
20130827205601.jpg写真は2013年8月、商人舎撮影

生年月日:1954年6月12日(62歳)

1978年3月:イトーヨーカ堂入社
2009年1月:同社執行役員販売事業部長
2009年5月:同社取締役執行役員販売本部長
2011年3月:同社取締役常務執行役員販売本部長
2014年1月:同社取締役常務執行役員衣料事業部長
2014年5月:同社代表取締役社長&COO
2016年1月:同社代表取締役社長&COO退任

 

検索ワード;全農 戸井和久 鈴木敏文 イトーヨーカ堂 セブンファーム富里

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