5月訪日外客数統計news|5月として過去最高/前年同月比16.6%の268万人
日本政府観光局(JNTO)が5月の訪日外客数を発表した。
訪日外客数は267万5000人で前年同月比16.6%の増加。2017年4月の229万5000人を38万人以上も上回り、5月として過去最高を記録した。5月までの累計は1319万4400人で、前年同月比15.6%となった。
航空路線の新規就航や増便、チャーター便の就航による航空座席供給量の増加、さらに好調なクルーズ需要に加えて、継続的に展開している訪日旅行プロモーションの効果もあって、訪日外客数全体としては堅調に推移した。 市場別では、マレーシアを除く19市場で5月として過去最高を記録した。4月に引き続いて好調な伸びを記録した中国に加えて、欧米豪9市場すべてで前年同月比ニ桁増を記録した。
国別の状況を見ておこう。
[東アジア]
中国66万8600人(29.23%増)、韓国64万0400人(14.6%増)、台湾44万0100人(8.0%増)、香港19万0500人(4.9%増)。
各国とも、5月として過去最高を記録した。中国は、4月に引き続き好調な個人旅行需要に加えて、団体旅行も大幅に増加したことで、訪日者数は好調に推移した。韓国は、航空路線の新規就航や増便に加えて、為替レートが円安で推移したことも追い風となった。台湾は、昨年は5月にあった端午節休暇が今年は6月になったため、旅行需要は減少したが、地方へのチャーター便就航や定期便の増便に加え、クルーズ船の寄港もあって、訪日者数は堅調に推移した。香港は、5月下旬の祝日が連休を取得しやすい日並びであったことが奏功した。
[東南アジア]
タイ10万3600人(16.6%増)、フィリピン5万9000人(34.1%増)、シンガポール3万9400人(14.8%増)、マレーシア3万6400人(1.1%増)、インドネシア3万1500人(26.5%増)、ベトナム2万8200人(27.5%増)、インド1万7300人(11.0%増)。
マレーシア以外は、5月として過去最高を記録した。マレーシアは、今年はラマダン(断食)開始日が5月17日と前年に比べて早まったため、その後の旅行需要にマイナスの影響を与えた。だが、北海道の芝桜ツアーの人気による団体旅行需要があって、訪日者数を下支えした。タイは、JNTOが実施した旅行プロモーションが訪日意欲の喚起に貢献した。フィリピン・シンガポールは、航空会社の新規就航が訪日者数の増加に寄与した。インドネシアは、祝日が連休を取得しやすい日並びであったことが奏功した。ベトナムは、5月出発の訪日旅行商品が多数販売されたため、訪日者数は好調に推移した。また、クアン国家主席の来日も、訪日者数の増加に貢献した。インドは、学校休暇が始まる5月に向けて展開した訪日旅行商品の販売が訪日意欲を喚起した。
[豪州・北米]
アメリカ14万0500人(12.7%増)、オーストラリア3万9600人(23.6%増)、カナダ3万1400人(13.7%増)。
3カ国とも、5月として過去最高だった。雑誌での訪日旅行記事の掲載やニュースレターなどの情報発信、旅行博や商談会の実施など、継続的な訪日旅行プロモーションによって、旅行先として日本の認知度が向上したことやクルーズ需要の高まりもあって、訪日者数は堅調に推移した。
[欧州]
イギリス3万0300人(17.2%増) 、フランス2万9600人(18.6%増)、ドイツ2万0400人(17.4%増)、イタリア1万2200人(24.1%増)、スペイン9300人(20.3%増)、ロシア7500人(27.5%増)。
6カ国とも、ニ桁増の伸び率で、5月として過去最高を記録した。各国とも、継続的な訪日旅行プロモーションが訪日意欲を喚起し、高い伸び率につながった。ロシアはこれに加えて、昨年1月からの査証発給要件の緩和の効果が継続していること、イギリス・イタリアは、大型クルーズ船の需要が好調だったことが、訪日者数増加に寄与した。