5月百貨店統計|売上高3カ月ぶりに0.2%減/主力の衣料品5.9%減

日本百貨店協会から5月の「百貨店売上高概況」が発表された。調査対象店舗80社220店で前月と変わらず。

百貨店の5月の既存店売上高は4505億円9240万円、0.2%減で、3カ月ぶりに前年を下回った。協会で分析したマイナス要因主に3点ある。1つは、昨年に比べ土曜日が1日少なかったことによる客数減だ。2つ目は、4月に気温が上昇して夏物需要が前倒して売れたこと。一方、5月は低気温で盛夏商材の動きが鈍った。これが3つ目の理由だ。

顧客別に見ると、顧客シェア6.4%の外国人売上高は49.0%増、売上額287億円と好調に推移した。一方、シェア93.6%を占める国内市場は前年比4.2%減で、前月よりも2.7ポイント下がった。

主要10都市は対前年比0.2%減と10カ月ぶりにマイナスに転じた。
そのなかで大阪は5.2%増と、17カ月連続で伸長している。札幌1.4%、東京1.3%、福岡1.0%、名古屋0.4%の4都市が前年を上回った。富裕層消費とインバウンド効果の高い地域だ。一方で神戸▲33.9%、広島▲5.7%、仙台▲2.9%、横浜▲2.9%、京都▲1.3%の5都市は前年に届かなかった。

10都市以外の8地域は、すべてのエリアで前年を下回り、▲6.1%。13カ月連続で減少にある。
近畿▲16.2%、中部▲10.3%、北海道▲6.6%、東北▲6.5%、中国▲6.0%、九州▲4.3%、四国▲4.2%、関東▲3.1%。

主要5品目では「雑貨」と「身のまわり品」が前年をクリア。
「雑貨」は6.7%増で18カ月連続で前年同月を上回っている。とくに化粧品は10.9%の二桁増で、38カ月連続で伸長。美術・宝飾・貴金属も7.3%と14カ月連続で好調だ。
「身のまわり品」はラグジュアリーブランドやアクセサリーなどの装飾品に動きがみられ、前年を0.1ポイントクリアした。

一方で、減少したのは「家庭用品」「食料品」「衣料品」。
「家庭用品」は▲0.7%で29カ月連続、「食料品」は▲3.9%で12カ月連続のマイナスだ。そのうち生鮮食品は▲4.3%で50カ月前年を下回っている。
「衣料品」は低温が響き夏物需要が減退したことから▲5.9%となり、6カ月マイナスが続いている。

大手百貨店グループの5月の確報業績は下記の通り(%は前年同月比)。

(株)J.フロント リテイリングの百貨店事業は+0.5%。
(株)髙島屋は▲0.4%
(株)エイチ・ツー・オー リテイリングの百貨店は▲0.5%。
(株)三越伊勢丹ホールディングスの国内百貨店事業は▲1.3%。

5月の大手百貨店グループでは、J.フロントだけが前年をクリア。

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