6月訪日外客数統計news｜６月として過去最高/前年同月比15.3%の271万人
日本政府観光局(JNTO)が、6月の訪日外客数を発表した。
訪日外客数は270万5000人で前年同月比15.3%の増加だった。昨2017年6月の234万6000人を35万人以上も上回り、6月として過去最高を記録した。上半期の累計では、前年同月比15.6%増の1589万9000人となり、世界の20市場からの来訪者数すべてで過去最高となった。
航空路線の新規就航や増便、チャーター便の就航による航空座席供給量の増加がやはり大きな効果を上げた。それに加え、継続的に展開している訪日旅行プロモーションも奏功して、訪日外客数全体としては堅調に推移した。
市場別では、インドネシア、米国からの来訪者が、単月として過去最高を記録したほか、そのほかの18市場で6月として過去最高を記録。好調な伸びが続く中国に加え、5月に引き続いて欧米豪9市場すべてで前年同月比ニ桁増を記録した。
国別の状況を見ておこう。
[東アジア]
中国77万0900人(29.6%増)、韓国60万6100人(6.5%増)、台湾45万6900人(5.4%増)、香港20万5500人(1.8%増)。
各国とも、6月として過去最高を記録した。中国は、5月に続いて好調な個人旅行需要があった。それに加えて、団体旅行も大幅に増加したことで、訪日者数は好調に推移した。韓国は、航空路線の新規就航や増便が訪日者数の増加を下支えした。しかし一方で、6月18日に発生した大阪府北部地震の影響によって、6月下旬の大阪への旅行需要が抑えられた。結果として伸び率は一桁台にとどまった。台湾・香港は、昨年は5月だった端午節休暇が今年は6月中旬になったことで旅行需要の増加があった。しかし韓国と同様、大阪府北部地震の影響によって、伸び率は一桁台にとどまった。
[東南アジア]
タイ7万3600人(42.2%増)、インドネシア5万6100人(46.4％増)、シンガポール4万人(10.2％増)、フィリピン3万7300人(18.6％増)、マレーシア3万6500人(21.5%増)、ベトナム2万9500人(34.9％増)、インド1万2500人(17.4％増)。
インドネシア以外は、6月として過去最高を記録した。タイは、旅行プロモーションや航空会社の新規就航と増便が訪日者数の増加に寄与した。インドネシアは、単月として過去最高を記録。今年はラマダン（断食）開始日が早まり、レバラン（断食明け大祭）休暇が6月中旬になったことや、大型連休の取得が可能であったため、訪日者数は好調に推移した。シンガポールは、6月が学校休暇であることや航空座席供給量の増加に加え、SNSによる訪日旅行プロモーションの効果もあって、訪日者数は堅調に推移した。
フィリピンでは、今年は独立記念日が6月12日(火)で、有給休暇と合わせて連休が取得しやすい日並びであったことが訪日者数の増加に貢献した。マレーシアは、6月中旬のハリラヤ・プアサ（断食明けを祝う祝日）と学校休暇が重なったことで、家族旅行需要が高まったと考えられる。ベトナムは、6月出発の訪日旅行商品が多数販売されたことに加え、夏期休暇シーズンで家族旅行需要も増えたことが奏功した。インドは、旅行博への出展、訪日セミナーの実施などが訪日意欲を喚起し、1月からの査証発給要件緩和の効果と相まって、訪日者数は堅調に推移した。
[豪州・北米]
アメリカ16万1700人(17.2%増)、オーストラリア3万5800人(10.1％増)、カナダ2万3900人(18.0%増)。
アメリカは、単月として過去最高を記録。旅行先としての日本の認知度の高まりや、訪日旅行プロモーションによるクルーズ需要の増加もあり、訪日者数は好調に推移した。オーストラリアも6月として過去最高を記録した。五輪金メダリストを起用した訪日PR動画や屋外広告などの訪日旅行プロモーションに加え、6月も引き続き、昨年末の航空路線の新規就航を契機としたキャンペーン運賃の期間中であったこともあり、訪日者数は堅調に推移した。カナダも、6月として過去最高を記録。訪日旅行記事の雑誌掲載やニュースレターなどの情報発信に加え、6月の航空路線の新規就航に向けた訪日旅行プロモーションが奏功した。
[欧州]
イギリス2万2500人(15.4%増) 、フランス1万9400人(20.7%増)、ドイツ1万4400人(12.5%増)、イタリア1万1000人(32.1％増)、スペイン8300人(27.9%増)、ロシア7000人(26.1%増)。
6カ国とも、5月に続いてニ桁増の伸び率で、6月として過去最高を記録した。
各国とも、継続的な訪日旅行プロモーションが訪日意欲を喚起し、高い伸び率につながった。ロシアはこれに加えて、昨年1月からの査証発給要件の緩和の効果が継続していること、イタリアはクルーズ船の需要が好調だったことが、訪日者数増加に寄与した。