8月訪日外客数統計news|8月では過去最高数の4.1%増258万人
日本政府観光局(JNTO)が、8月の訪日外客数を発表した。
訪日外客数は257万8000人で4.1%(前年同月比)増加した。昨2017年8月の247万7000人を約10万人上回り、8月として過去最高を記録した。また、8月までの累計は2130万9000人となり、これまでで最も速いペースで2000万人を超えた。
新規就航による航空路線の拡充に加え、訪日旅行プロモーションの効果もあって、訪日外客数全体としては昨年同月を上回った。
一方で、6月に発生した大阪府北部の地震や平成30年7月豪雨の影響により、これまで訪日者数の伸びを牽引してきた東アジア市場の一部で、訪日需要が抑えられたため、訪日外客数全体の伸びは鈍化した。
国別の状況を見ておこう。
[東アジア]
中国86万人(4.9%増)、韓国59万3900人(4.3%減)、台湾39万4500人(4.4%増)、香港19万8100人(0.7%増)。
中国は、8月として過去最高を記録。台風の影響でクルーズ船の欠航や寄港中止があったが、旺盛な個人旅行需要が訪日者数の増加を後押しした。 韓国は、大阪府北部の地震の影響で当該地域への旅行のキャンセルや新規予約が減少した。また、8月の記録的な猛暑を避けて訪日時期を延期する動きが見られたため、訪日者数は前年同月を下回った。台湾は、8月として過去最高を記録した。台風による欠航や台湾中南部における集中豪雨の影響で訪日機会の損失があった。しかし、8月1日からタイガーエア台湾の花巻-台北線が定期便化されるなど地方への誘客が促進された。訪日者数は堅調に推移した。香港も、8月として過去最高を記録。増便やチャーター便の就航により、航空座席供給量が前年同月と比較して増加した。ただし大阪府北部の地震、平成30 年7月豪雨、猛暑など、訪日需要に影響を与える報道がなされたことから、訪日者数は微増に留まった。
[東南アジア]
タイ4万7500人(31.3%増)、ベトナム3万4200人(38.7%増)、フィリピン2万4700人(15.9%増)、マレーシア2万0100人(4.6%減)、インドネシア1万7500人(25.2%増)、シンガポール1万6300人(6.3%増)、インド1万0500人(4.3%増)。
タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、シンガポール、インドは8月として過去最高を記録した。各国とも、新規就航や機材の大型化などにより、航空座席供給量が前年同月と比較して増加した。訪日旅行プロモーションの効果もあって、訪日者数は引き続き好調に推移した。マレーシアは、マレーシア航空のクアラルンプール-成田線での座席数の増加や同区間の増便があったものの、祝日(ハリラヤハジ)が平日に当たったため、祝日を含めて4 連休となった昨年と比較して、訪日者数は下回った。
[豪州・北米]
アメリカ10万3100人(12.1%増)、オーストラリア2万3700人(7.0%増)、カナダ2万4900人(10.9%増)。
各国とも8月として過去最高を記録した。アメリカは、各種メディアでの日本関連記事が増加したことから、多様な日本の魅力発信が訪日需要を喚起したものと考えられる。オーストラリアは、昨年9月と12月の航空路線の新規就航によって航空座席供給量が増加したことで、訪日者数は堅調に伸びた。カナダは、航空会社との共同広告事業やエアカナダ機内誌での訪日旅行記事の掲載、6 月のモントリオール-成田線の新規就航が訪日需要を下支えした。
[欧州]
フランス2万8200人(14.5%増)、イギリス2万4200人(9.1%増) 、イタリア2万2100人(28.5%増)、スペイン1万9300人(29.8%増)、ドイツ1万6200人(13.5%増)、ロシア6700人(14.8%増)。
フランスは、3月にパリで開催された旅行博への出展や航空会社との共同広告などのプロモーションが訪日旅行の増加に寄与し、訪日者数は堅調に推移した。イギリスは、JNTO によるメディアへの支援や旅行会社向けの研修会の実施など、継続的な訪日旅行プロモーションが奏功して訪日者数は好調だった。イタリアは、航空会社との共同広告やJNTO のイタリア語 Facebook での情報発信が日本の認知度を高め、訪日者数は好調に推移した。スペインは、外国旅行需要自体が増加傾向にあって、訪日者数は順調に推移した。ロシアは、昨年1月からの査証発給要件緩和の効果が継続している。航空路線の新規就航や、各地での日本関連イベントでのプロモーションが訪日意欲を喚起し、訪日者数は堅調に推移した。