10月訪日外客数統計news|10月として過去最高/前年同月比1.8%の264万人

日本政府観光局(JNTO)が、10月の訪日外客数を発表した。

訪日外客数は264万1000人で前年同月比1.8%の増加だった。昨2017年10月の259万5000人を4万人以上も上回り、10月として過去最高を記録した。

韓国、台湾、香港では、昨年は10月上旬にあった休暇が、今年は9 月下旬となったこともあって前年同月を下回った。一方で、欧米豪市場については、好調なクルーズ船需要や訪日旅行プロモーションの効果によって、9市場すべてで好調な伸びを示した。

市場別では、韓国、台湾、香港、マレーシアを除く16市場で10月として過去最高を記録した。なお、1月からの累計では、ベトナム(33万人)、イタリア(12万9000人)、ロシア(7万9000人)、スペイン(10万4000人)の 4市場が10月までに、昨年の年計を超え、過去最高を更新した。

国別に状況を見ていこう。

[東アジア]
中国71万5300人(7.8%増)、韓国57万1200人(8.0%減)、台湾37万9600人(9.9%減)、香港16万9500人(0.9%減)。

中国の訪日客は、台風第21号や北海道胆振東部地震などの影響は限定的で、個人旅行が全体の訪日需要を牽引した。韓国は、航空座席供給量は増加したものの、秋夕(チュソク・旧盆休暇)が9 月下旬となったことと、人気の旅行先である北海道で発生した地震の影響が一部残り、訪日者数は前年同月を下回った。台湾も航空座席供給量は増加したものの、昨年は4連休であった国慶節が今年は1 日しかなかったことや、台風の影響でクルーズ船に欠航が発生したことから、訪日者数は前年同月に届かなかった。香港も同様で、航空座席供給量は増加しつつも、台風や地震の影響から訪日者数は前年同月をやや下回った。

[東南アジア]
タイ11万7900人(13.9%増)、マレーシア3万9100人(0.7%減)、シンガポール3万5100人(9.4%増)、インドネシア2万8300人(4.4%増)、フィリピン4万7300人(12.4%増)、ベトナム3万9400人(21.4%増)、インド1万3700人(9.6%増)。

タイは、航空座席供給量が前年同月と比較して大きく増加したことに加え、タイ経済の堅調な成長や継続的な訪日旅行プロモーションが訪日者数の増加に寄与した。マレーシアは航空座席供給量は増加したが、臨時学校休暇が今年は無かったため、訪日者数は前年同月を下回った。シンガポールは航空座席供給量の増加に加え、秋季の訪日需要拡大のためのプロモーションが奏功して、訪日者数は増加を維持した。インドネシアは旅行博などの訪日旅行プロモーションは好評であったものの、インドネシア・エアアジアX のジャカルタ-成田線の運休の影響もあって、訪日者数の伸び率は前月に比べて鈍化した。

フィリピンでは3月からのジェットスター・アジアのクラーク-関西線の新規就航やフィリピン航空のセブ-中部線の増便などの効果があって、訪日者数は2桁台の伸びを維持した。

ベトナムは、訪日者数は堅調な伸びを維持した。10月までの累計は33万0700人で、過去最高だった 2017年の年計30万8898人を超えた。大手旅行会社による秋の紅葉シーズンに向けたツアー販売やチャーター便の増便に加え、10月8日~10日のグエン・スアン・フック首相の日本公式訪問と、それに伴う関係者の来日が好要因になった。インドは、昨年は9 月だった休暇が今年は10月になったことによる旅行需要やインセンティブツアーの増加などによって、訪日者数は堅調に推移した。

[豪州・北米]アメリカ14万4000人(14.3%増)、オーストラリア4万7400人(20.2%増)、カナダ3万3800人(15.0%増)。

米国は、外国旅行需要自体が引き続き増加傾向にある。訪日クルーズ需要の好調さと、日本関連記事が増加していることなどが訪日需要を下支えしたものと思われる。

オーストラリアは、一部の州においてスクールホリデー(春休み)が9 月から10月へ後ろ倒しとなったことや、旅行博への出展、航空会社との共同広告などの訪日旅行プロモーションも功を奏して訪日者数は好調に推移した。カナダは、6月のエアカナダのモントリオール-成田線の新規就航による直行便の座席供給量が増加したことと、やクルーズ船を利用した訪日旅行が大きく伸長したことによって、訪日者数は2 桁台の伸びを記録した。

[欧州]
イギリス3万6900人(11.1%増) 、フランス3万4300人(13.7%増)、ドイツ2万4900人(12.8%増)、イタリア1万5100人(20.3%増)、スペイン1万4100人(17.0%増)、ロシア1万0800人(15.9%増)。

英国はOTAとの共同広告や大型クルーズ船の寄港が訪日者数増加に寄与した。フランスでは、継続的に展開している航空会社との共同広告、訪日旅行プロモーションに加えて、「ジャポニスム2018」におけるオリジナルの訪日旅行パンフレットの配布が訪日旅行の増加に寄与したと考えられる。ドイツは堅調な経済状況やOTA との共同広告など、継続的に展開している訪日旅行プロモーションの効果、さらに大型クルーズ船の寄港もあり、訪日者数は好調だった。

イタリアは座席供給量の増加、航空会社との共同広告や雑誌への日本各地の記事の掲載による旅行先としての日本の認知度の高まりや、クルーズ船需要の増加もあって、訪日者数は二桁の伸びだった。なお、10月までの累計は 12万9600人で、過去最高であった 2017年の年計12万5864人を超えた。

スペインも外国旅行需要自体が増加傾向にある。航空会社や現地OTA との共同広告など、継続的に展開している訪日旅行プロモーションが奏功して、訪日者数は2桁台の伸びを維持した。なお、10月までの累計は10万4100人で、過去最高であった 2017年の年計9万9814人を超えた。ロシアも航空路線の新規就航や増便に加え、各地での日本関連イベントへの出展やセミナーの実施など、継続的に展開してきた訪日旅行プロモーションの効果もあって、訪日者数は2桁台の伸びを示した。なお、10月までの累計は7万9300人で、過去最高であった 2017 年の年計7万7251人を超えた。

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