3月スーパーマーケット統計|既存店7.4%増/異常な買いだめ需要発生
スーパーマーケット販売統計3月度が発表された。一般社団法人日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、一般社団法人全国スーパーマーケット協会(NSAJ)の会員企業270社の3月の販売動向だ。
総売上高は9638億6577万円で前年同月比8.8%増。既存店売上高は7.4%増で2カ月連続で前年を上回った。新型コロナウイルスによる内食需要の高まりが、押し上げ要因となった。
内訳は9割を占める食品が8731億3714万円の9.9%増、非食品は634億6416万円の2.6%増、その他が272億6497万円の5.68%減となった。
食品のうち、青果は1324億4351万円の7.8%増。中旬まで青果相場は安値で推移していたが、下旬から上昇した地域が多かった。気温が高く、サラダ関連野菜は動きが好調であった。備蓄として土物類の販売量が増加。免疫力アップとして報道された長芋に特需が発生した店舗もあった。果物類では、輸入果物のバナナやオレンジなどが好調、国産果物ではイチゴやりんごが好調だった。
水産は839億0906万円の6.8%増。新型コロナウイルスの影響で、丸魚販売を中止する店舗もあった。保存のきく冷凍魚や加工品が好調だった一方で、刺身などの生食用は伸び悩んだ。春商材である海藻類やアサリ、ひな祭り関連のちらしや手巻き寿司用商材は好調だった。花見や行楽の自粛影響で、つまみ用の珍味類は不振となった。
畜産は1152億1430万円の12.3%増。内食需要の高まりを受けて、牛・豚・鶏いずれも好調だった。冷凍保存用の大容量パックや、簡便調理用の味付け商材が好調だった。
惣菜は903億2102万円の0.6%増。一斉休校による昼食ニーズの増加での需要増加はあったが、花見や行楽の自粛、卒業式や謝恩会、送別会など会合の中止によるオードブルや弁当需要が激減。在宅勤務の増加により仕事帰りの惣菜購入ニーズが減少した店舗も見られ、全体としてはやや不調だった。人手不足に苦慮した店舗も多かった。
日配品は1870億7049万円で11.6%増。内食需要や学校給食の代替需要として、牛乳や卵、麺類やパン類、冷凍食品が好調で、買いだめ行動もあった。納豆やヨーグルト、キムチなどの発酵食品、乳酸菌関連商品の売上げが好調で、一部では欠品も発生した。高い気温により飲料類の動きも好調だった。
一般食品は2641億7876万円で13.4%増。内食需要増が売上げを底上げし、ほとんどの食品が好調だった。とくに備蓄向きで簡便調理用の米類、パスタ・パスタソース、小麦粉・ホットケーキミックスなど粉製品、袋ラーメンの5食パック、カップ麺、シリアル、カレー・レトルトなどの食品が動いた。酒類・珍味は、宴会の自粛や在宅勤務などによる「家飲み」需要が高まり好調に推移した。
非食品は、マスクを中心にハンドソープ、除菌関連の衛生用品が品薄となり、点数制限の販売を実施した店舗が多かった。また、ティッシュやトイレットペーパー、キッチンペーパーなどの紙製品に対しても買いだめが発生、店頭在庫の回復に時間を要し、機会ロスが発生した。
3月は新型コロナウイルスによって異常な消費活動が発生した。また、小中高一斉休校やイベント・行楽中止の影響などから商品需要が偏った。
【3月度スーパーマーケット販売統計】