11月商業動態統計|販売額44兆2530億円5.9%減/小売業12.5兆円0.7%増
経済産業省が、11月度の商業動態統計速報を発表した。昭和28年(1953年)から始められた商業動態統計は、工業統計と並んで国の基幹統計である。小売業・卸売業を営む企業と事業所・店舗の事業活動に関する動向の把握を目的とするもので、毎月、調査・発表される。
その11月の商業販売額は44兆2530億円で前年同月比マイナス5.9%となった。商業販売額は小売業と卸売業の合計販売額である。
卸売業の販売額は31兆6830億円で8.8%減。そのなかで大規模卸売店の販売額は8兆8121億円で4.9%のマイナスだった。
小売業の販売額は12兆5700億円と0.7%のプラスだった。
業種別にみると、機械器具小売業が前年同月比26.2%増、無店舗小売業が7.1%増、自動車小売業が3.4%増、飲食料品小売業が0.2%増。一方、燃料小売業が10.3%減、各種商品小売業(百貨店など)が10.0%減、織物・衣服・身の回り品小売業が7.3%減、医薬品・化粧品小売業が0.7%減だ。
また百貨店・スーパー販売額は1兆6722億円の前年同月比3.5%の減少となった。スーパーが1兆2093億円の2.1%増(既存店は1.8%増)に対し、百貨店は4628億円の15.1%減(既存店は13.6%減)と落ち込みが続く。商品別では飲食料品が4.7%増と好調だったが、衣料品は17.9%減と大幅減。
コンビニエンスストアの売上高は9700億円で前年同月比2.4%の減少だ。ファストフードおよび日配食品は6.3%減、加工食品は5.4%減と主力商品が低迷。非食品は0.4%増加した。
家電大型専門店販売額は4005億円で前年同月比25.3%増。通信家電が67.7%増、生活家電が30.6%増、AV家電が25.3%増加、情報家電が17.4%増と二桁増。
ドラッグストア販売額は5853億円で前年同月比7.1%増と好調を維持。コロナ感染拡大で、ヘルスケア用品(衛生用品)・介護・ベビーが24.4%増、家庭用品・日用消耗品・ペット用品が13.1%増。対してインバウンド需要が喪失しているビューティケア(化粧品・小物)が3.4%減。
ホームセンター販売額は28223億円で、前年同月より7.3%の増加。引き続き園芸・エクステリアが13.7%増、ペット・ペット用品が12.5%増と好調。オフィス・カルチャーは2.8%の減少だ。
小売業態別の販売額を前年同月比の伸長率で並べると、コンビニ、百貨店の不調が明白。
家電大型専門店 25.3%(4005億円)
ホームセンター 7.3%(2822億円)
ドラッグストア 7.1%(5853億円)
スーパー 2.1%(1兆2093億円)
コンビニエンスストア ▲2.4%(9700億円)
百貨店 ▲15.1% (4628億円)