2月百貨店統計|売上高3803億円20.4%増・客数22.5%増/2カ月連続二桁伸長
(一社)日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が2023年2月の「全国百貨店売上概況」を発表した。調査対象は70社182店で、前月から1社3店舗減っている。
2月の売上高は3803億6812万円で既存店前年同月比20.4%増、客数は入店客数22.5%増と、前月に続き共に二桁の伸びとなった。
外出機会の増加やオケージョン需要から好調だった衣料品・服飾雑貨と、増勢が続く高額商材、急伸するインバウンドが牽引した。各社が展開した外商催事、会員施策、バレンタインや恵方巻等の歳時記イベントも盛況だった。
コロナ前との比較では、消費増税の反動が残る2019年比では、売上高6.8%減、入店客数18.5%減となった。
顧客別では、昨年10月の水際緩和と円安効果で、インバウンドが314.3%増増(11カ月連続/シェア4.6%)と引き続き高い伸びを示した。国内市場も活況で、前月よりさらに5.2ポイントアップし、16.5%増(12カ月連続/シェア95.4%)となった。2019年比では、インバウンドが45.7%減、国内市場は3.5%減だった。
地区別では全地区で前年実績を超えた。インバウンド需要を背景に、都市は全地区で二桁増を示し、全体では23.1%増となった。地方も13.2%増と2カ月連続で前年実績を超えた。
商品別では、主要5品目は全てプラスとなった。その他の品目は、商品券を含む全ての品目がプラスとなり、婦人服・洋品、化粧品が12カ月連続、美術・宝飾・貴金属が25カ月連続でプラスとなったほか、子供服・洋品、生鮮食品が2カ月連続でプラスとなった。
衣料品や服飾雑貨は、卒入学関連やブライダルなどのセレモニー需要、買い替えニーズに加え、春物商材などが動いた。
美術・宝飾・貴金属など高額品は、ラグジュアリーブランドや時計を中心に増勢が続いており、一部アイテムでは引き続き価格改定前の駆け込みも見られた。
食料品では、菓子と惣菜が18カ月連続増と好調に推移しており、人気の物産展等食品催事が盛況だった。とくに、各社が趣向を凝らして展開したバレンタイン商戦は、限定品や自家需要、イートインや関連スイーツなどの企画も好評だった。