11月百貨店統計|売上高5167億円3.4%増/気温低下で重衣料が好調
(一社)日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が2024年11月の「全国百貨店売上高概況」を発表した。調査対象は、70社178店。
11月の売上高は5167億4771万円で前年同月比3.4%増、入店客数0.8%増。10月は2022年2月以来、32カ月ぶりに売上高がマイナスとなったが、11月はプラスに戻った。
11月は高付加価値商材とインバウンドが牽引した。また気温の低下に伴い、冬物重衣料を中心とした防寒商材も良く動いた。さらに各社が企画した会員向けの企画や外商顧客向けの催事、物産展などの食品催事も売上げと集客に寄与した。
地区別では主要10都市で4.6%増加して、38カ月連続で昨対プラスが続く。名古屋の9.8%増を筆頭に9都市はプラスだが、広島のみ4.2%減だった。名古屋地区は、イベントや改装効果などで高伸した。
10都市以外の7地区では0.5%減で前年割れ。しかし東北と近畿の2地区ではプラスとなり、10月よりは4.3ポイント改善している。またインバウンドも徐々に拡がりを見せている。
商品別では主要5品目のうち、衣料品、身のまわり品、雑貨の3つのカテゴリーで前年実績をクリアした。
主力の衣料品は5.3%増で、天候要因からコートやセーター、防寒アイテムが動いた。身のまわり品は6.4%増で、ラグジュアリーブランドを中心にバッグや財布等革小物が好調だった。雑貨は8.0%増で、化粧品と美術・宝飾・貴金属が高伸した。化粧品は、スキンケアやフレグランスの他、クリスマスコフレも人気となった。
食料品は1.0%減と前年割れしたが、前月よりは1.0ポイント改善した。インバウンドとギフト需要によって、菓子がプラスに転換した。また本番を迎えている年末商戦では、おせちが好調に推移している。しかし生鮮食品は8カ月連続でマイナスとなっている。