コンビニもスーパーマーケットも5月売上げは好天に恵まれ善戦だが非食品は課題
日本フランチャイズチェーン協会のコンビニエンスストア統計調査月報2014年5月度の数値が今日16時に発表された。
既存店ベースの状況は以下の通り。
・ 来店客数 12億7,064万人(前年同月比-0.1%)が3カ月連続のマイナス
・平均客単価 582円(同-0.7%)が2カ月連続のマイナス
・売上高 7,393億円(同-0.8%)は2カ月連続のマイナス
消費税増税後の反動で、平均客単価、売上高ともに2カ月連続マイナス。しかし5月は晴天が続き、また真夏日も各地で観測されたため、冷やし麺やアイスクリームなどの夏物商材が売れた。コーヒー等のカウンター商材も引き続き好調に推移。
消費税増税のたばこの買い置き需要の影響は減少したものの、たばこの購入者自体が減っており、「既存店売上高は前年を回復するまでに至らなかった」と報告している。コンビニのたばこ売上依存の大きさを物語っている。
商品別の構成比と前縁比較は、以下の通り。
構成比 売上高前年同月比(%)
日配食品 36.2% 11.1%
加工食品 27.7% 3.2%
非食品 31.1% -3.0%
サービス 5.0% 1.7%
合計 100.0% 3.8%
日配食品には弁当・惣菜が含まれ、1年間で二ケタ増。
非食品の構成比はいまだ3割を超えて31.1%だが、これが̠マイナス3.0%。
この傾向はますます強まる。
本調査の対象はJFA正会員コンビニエンスストア本部10社。
(株)ココストア、(株)サークルKサンクス、(株)スリーエフ、(株)セイコーマート、(株)セブン-イレブン・ジャパン、(株)ファミリーマート、(株)ポプラ、ミニストップ(株)、山崎製パン、(株)デイリーヤマザキ事業統括本部、(株)ローソン。
一方、昨日19日に発表されたスーパーマーケット5月度販売統計。
スーパーマーケット3団体(日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会、オーツ日本スーパーマーケット協会)の調査は以下の通り。
全店売上高 | 構成比% | 前年同月比% | ||
全店 | 既存店 | |||
総売上高 | 8087億8584万円 | 100.0 | 101.9 | 100.0 |
食品合計 | 7170億2349万円 | 88.7 | 102.9 | 101.0 |
生鮮3部門合計 | 2705億4824万円 | 33.5 | 106.2 | 103.9 |
青果 | 1089億6216万円 | 13.5 | 105.2 | 102.9 |
水産 | 737億7581万円 | 9.1 | 103.8 | 101.5 |
畜産 | 878億1027万円 | 10.9 | 109.7 | 107.2 |
惣菜 | 759億8253万円 | 9.4 | 105.9 | 102.9 |
日配 | 1555億6770万円 | 19.2 | 103.1 | 101.4 |
一般食品 | 2149億2501万円 | 26.6 | 98.0 | 96.7 |
非食品 | 617億5527万円 | 7.6 | 93.1 | 92.5 |
その他 | 300億0708万円 | 3.7 | 95.5 | 94.5 |
スーパーマーケットも好天と野菜・果物・畜産の相場高の影響で、5月はまずまずの数値。
全体では前年比101.9%、既存店は100.0%。
特に月の後半は増税買い貯めの影響が薄れ、持ち直している。
課題は一般食品の前年比98.0%と非食品の93.1%。
これはそれぞれマイナス2.0ポイントと6.9ポイント。
非食品はスーパーマーケットもコンビニ同様。
ドラッグストアなど他業態との価格競争で厳しい。
しかしノンフードに関して、コンビニは3割のシェアをもち、スーパーマーケットは7.6%。
この平均的な統計を見る限り、スーパーマーケットはもうとっくに、非食品を放棄してきた。
それにしては売場面積構成比は広くないか?
神奈川のロピアは、1品も非食品を扱わない。
その方が逆に、店としてのポジショニングも鮮明だ。
「オーソドックスな凡庸」は、顧客から見て、魅力がなくなりつつある。
相場高・天候に助けられた5月のコンビニとスーパーマーケット。
消費税増税が落ち着いてきた今、夏物商材が勝負のこの季節。
予想される冷夏がどう影響するか。
その見極めがこの夏の売上げを大きく左右しそうだ。
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