6月の外食産業は休日減で前年比97.7%、しかし好調業態は客単価上昇!
外食産業は食品小売業の水先案内人。小売業だけでなく食品産業全体の先導役を担う。
一般社団法人日本フードサービス協会(JF)から、
6月度の外食産業市場動向調査の集計結果が報告された。
新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、前年同月比を算出している。
全体概況
6月は日曜日が1日少なかったことが影響し、ファミリー層に需要の多い業態は客数が落ちた。
ファミリーレストラン、ディナーレストランは客単価が上昇し好調を維持したが、ファストフードは相変わらず洋風ファストフードの低迷が続いており、外食全体の売上げは97.7%と再びマイナスだった。
業態別概況
(ファストフード業態)
全体売上高は94.1%と前年を下回った。
洋風ファストフード――キャンペーンやフェアメニューが好調だったものの、食の安全安心問題があとをひき、売上げは87.2%と低迷。
和風ファストフード――客数は厳しいものの客単価は上昇し、売上げは100.5%となった。その中で麺類は夏季メニューが好調で客数、客単価ともに伸び、売上げは105.4%。持ち帰り米飯、回転寿司は前年を下回った。
その他―アイスクリームは販促キャンペーンで客数が増え、客単価は下がったが、売上げはプラス。
(ファミリーレストラン業態)
全体売上高は101.3%と、26カ月連続して前年を上回った。
業種別では「焼肉」以外は客数が不調だったが、すべての業種で客単価が上昇し、売上げを押し上げた。
(パブ・居酒屋業態)
「パブ・ビアホール」の一部店舗を除き、客数は増えているものの、客単価が減少し、売上げは昨年を下回った。「居酒屋」は店舗削減で客数も売上高もマイナス。
(ディナーレストラン業態)
店舗によって差はあるが、全体的には店舗増の影響もあり、客数増加、客単価の上昇により前年比5.8ポイント増と好調であった。
(喫茶業態)
季節メニューが好調だったことと、休日数減が、ビジネス街にはプラスの要因となり、店舗数が削減されたにもかかわらず、売上げは前年をクリアした。
(表はすべて(一社)日本フードサービス協会・外食産業市場動向調査 平成27年6月度結果報告より)
6月は休日数減のため客足が鈍り、売上げが前年を下回った。
昨日報告した経済産業省の商業動態調査は季節調整をかけた。外食産業にも必要だろう。
外食の月別営業概容には他の業種以上に休日日数が影響力を持つ。それによって、業界全体の好調不調を論じることはあまり意味がない。本来は52週のウィークリー・マネジメントを併用しつつ、月別の営業概容を論じるべきだろう。
休日が減って潤うのはビジネス街立地の喫茶店だろうが、それでもファミリーレストランとディナーレストランは伸びている。
その理由として共通しているのが客単価の上昇。メニュー単価が上がったのか、注文メニュー数が増えたのか。小売業でいえば単品単価の高いものが売れたのか、買上げ点数が増えたのか。
もちろん企業ごとに違いはあるだろう。
何気ないファミレスでの食事の際も、そういったことの観察と考察を怠ってはならない。それが食の消費トレンドを、自分で読み取ることに役立つ。
食品産業全体で、この点を観察、考察し、8月の営業に役立てたい。
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