1月は総合スーパー2.3%増、スーパーマーケットは2.2%増と好調
2月22日(月)、日本チェーストア協会より2016年1月の「チェーンストア販売統計速報」が発表された。集計企業数は58社、店舗数は9384店。
1月の販売概況は以下の通りだが、総販売額は1兆1227億3473万円。
既存店前年同月比プラス2.3%。
1.食料品 7138億2747万円(プラス3.8%)
a)農産品 964億0282万円(プラス0.5%)
b)畜産品 876億9547万円(プラス4.8%)
c)水産品 707億7856万円(プラス2.3%)
d)惣菜 833億5471万円(プラス7.9%)
e)その他食品 3755億9591万円(プラス3.9%)
2.衣料品 1072億8584万円(プラス2.3%)
a)紳士衣料 235億8444万円(マイナス0.8%)
b)婦人衣料 315億5116万円(マイナス0.9%)
c)その他の衣料・洋品 521億5024万円(プラス6.0%)
3.住関品 2282億9228万円(プラス0.7%)
a)日用雑貨品 950億2913万円(プラス0.8%)
b)医薬・化粧品 341億5042万円(マイナス3.0%)
c)家具・インテリア 520億6710万円(プラス2.8%)
d)家電製品 109億5648万円(プラス3.9%)
e)その他商品 360億8915万円(プラス0.1%)
4.サービス 32億8157万円(マイナス0.8%)
5.その他 700億4757万円(マイナス6.5%)
1月は上旬の気温高が影響したものの、食料品はまずまずの動きだった。畜産品は牛肉・豚肉・鶏肉いずれも好調で、惣菜も温惣菜・要冷惣菜ともに、よく動いた。衣料品は高温だった上旬は伸び悩んだが、中旬以降は1月らしい気温に下がったことで売れ行きが回復し、衣料部門全体としてはプラスとなった。
2月23日(火)には「スーパーマーケット販売統計」が発表された。一般社団法人日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体の統計。集計企業数は275社、店舗数は7473店舗。
NSAJの増井徳太郎副会長から報告された1月の実績は以下の通り。
総売上高は8533億7750万円。既存店前年同月比プラス2.2%。
部門別数値は以下の通り。
1.食品合計 7591億2330万円(プラス2.7%)
a)生鮮3部門合計 2937億3418万円(プラス1.5%)
・青果 1119億6024万円(マイナス0.4%)
・水産 815億1025万円(プラス0.8%)
・畜産 1002億6368万円(プラス4.1%)
b)惣菜 823億4425万円(プラス2.3%)
c)日配 1626億4479万円(プラス3.8%)
d)一般食品 2204億0008万円(プラス3.8%)
2.非食品 689億2393万円(マイナス0.5%)
3.その他 253億3072万円(マイナス5.5%)
「今年は4日から仕事始めの企業が多く、正月商戦期間が短かった。帰省期間が短くなる、あるいは帰省をしない人が増えたため、正月商材の売上げが伸び悩んだ。しかし、昨年より日曜日が1日多かったことと、後半の気温低下や週末の降雪予報に備えての買いだめ需要が発生し、全店ベースでは昨対4.1%、既存店でも2.2%のプラスとなった。10カ月連続で前年を上回った」
スーパーマーケットは好調だ。
「青果は前半相場安だったことを受け、既存店が前年割れとなった。中旬以降は気温低下や降雪により、相場は上がったが、全体をカバーするまではいたらなかった。いちごが旬で、1月5日や15日の『いちごの日』には各社が販促を仕掛けたが、価格が高く入荷も不安定だったため、今年は伸び悩んだ」
「水産は、海水温上昇によるブリの不調と、時化が続いて近海魚の水揚げ不漁が重なったことがマイナス要因。前半の高温期は刺身類が好調で、後半は鍋商材や塩干の需要が高まった。畜産は牛肉の相場が依然高騰している一方で、豚肉の相場は安定してきており、順調に推移した。また加工肉の発がん性についてのWHOの報道による影響は徐々に薄れてきて、回復傾向にある」
WHO報道で大騒ぎした輩もあったが、それも沈静化の方向だ。
「惣菜は正月商戦が短かったことから、寿司などの『ハレの日メニュー』が伸び悩んだ。正月明けは、ヘルシーな惣菜、タケノコ・菜の花などの春物商材を使ったメニュー展開が奏功し、2.3%のプラスとなった。気温が低下した後半は、ホットメニューや受験生対応メニューなどがよく売れた」
行事・催事に丁寧な対応が必要だ。
「日配は前半はアイスやデザートが売れ、後半は練り物など鍋商材が伸長した。ヨーグルトはよく売れており、とくにインフルエンザ流行の兆しが見えてくると、需要が大幅にアップする」
食品の販売はインフルエンザまで味方にしてしまう。
「一般食品は鍋つゆやカップ麺などのホット商材が伸び悩む一方で、飲料やカレー関連が支持された。降雪前の需要で米・水・カップ麺などが大幅に売上げを伸ばした。また節分関連商材では、海苔やかんぴょう、寿司酢などの恵方巻関連商材が1月から動いた」
「非食品では冬物・防寒関連商品が好調。また一部の企業では店頭設置の証明写真の売上げが伸びた。マイナンバーの個人カード取得のための需要増加だろう」
「1月は例年、成人式や受験応援関連のプロモーションが盛んに行われるが、若年層の人口減少を受け、マーケットが縮小してきたためか、チラシ企画が少なくなっている。好調だったキットカットなどの受験生応援商材は以前ほど売れなくなっている。代わって、健康・美などの企画が増えている傾向にある」
「1月に廃棄食品の横流し問題が起こり、一部のスーパーマーケットでその商品を販売してしまっていたことが発覚。これは消費者に低価格商品に対する不信感を与えた。スーパーマーケット協会団体としては、早急な信頼の回復を図るとともに、食品ロス削減への取り組みが喫緊の課題となっている。」
フランスではハイパーマーケットやスーパーマーケットに対して、売れ残り食料の廃棄を禁じ、慈善団体への寄付を義務付ける法律が成立した。日本でも廃棄ロスを減らす仕組みづくりや工夫は必須になってきた。
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小売業態別の1月の成績がすべて出そろった。
総合スーパー中心のチェーンストアがプラス2.3%、
スーパーマーケットがプラス2.2%、
コンビニがプラス1.0%。
前半の高気温の影響を一番受けた百貨店がマイナス1.9%となった。
この時期らしい気温に戻った2月。訪日外国人の増加や閏年で1日多いから、条件は悪くない。2月の百貨店の業績は期待できるし、他の業態にも希望がもてる。
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