【9月SC】売上高▲4.0%と苦戦するも、映画ヒット効果で集客増&飲食好調!

一般社団法人日本ショッピングセンター協会から9月のショッピングセンター(SC)販売統計調査が発表された。サンプル数は503。

9月の既存SCの売上高は4680億1615万円で、前年同月比▲4.0%となり、2カ月連続でマイナスとなった。テナントは3689億1198円で▲3.8%、キーテナントは991億0418万円で▲4.7%と、両者ともに苦戦した。

立地別・構成別の下記表を見ると、すべてマイナス。中心地域の合計は▲3.6%(大都市▲3.1%、中都市▲4.5%)、そして周辺地域は▲4.2%となった。(表-1参照)

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(一般社団法人日本ショッピングセンター協会「SC販売統計調査報告2016年9月」より)

(注)
大都市とは札幌・仙台・千葉・東京区部・川崎・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡・北九州の各市。
中都市とは上記都市を除く人口15万人以上の都市をいう。

立地別・地域別の結果は以下のとおり。(表-2参照)

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(注)
中心地域とは人口15万人以上の都市(東京23区を含む162都市)で、商業機能が集積した中心市街地を指す。
周辺地域とは、中心地域以外のすべての地域。

総合では東北が0.0%と横ばいだったが、他はすべてマイナス。
九州・沖縄は、前々月5.6%、前月±0.0%、9月が▲5.1%となり、復興需要の落ち着きとともに、落ち込みが大きくなっている。

中心地域は東北が8.0%と好調。他はすべてマイナス。
周辺地域はすべてマイナスという結果だった。

都市規模別・地域別の結果は、政令指定都市は「総合」で▲3.0%。
プラスだったのは仙台市5.3%だけ。仙台市は7月にリニューアルしたイオンモール富谷効果がまだ続いているようだ。

マイナス幅が少ない都市順で並べると、札幌市▲1.7%、東京都区▲1.8%、広島市▲1.8%、
横浜市▲2.4%、川崎市▲3.2%、大阪市▲3.9%、名古屋市▲4.0%、千葉市▲5.3%、
京都市▲6.2%、北九州市▲6.2%、神戸市▲6.7%、福岡市▲7.3%。
広島市は▲1.8%だったものの、プロ野球広島東洋カープの優勝セールで売上げを伸ばし、8月の▲3.1%から1.3ポイント伸長した。これは百貨店にも同じ傾向がみられた。

その他の地域(政令都市を含まない地域)は「総合」で▲4.8%。
すべてマイナスとなり、東北▲1.9%、北陸▲2.8%、九州・沖縄▲3.9%、関東▲4.0%、
中国▲4.4%、近畿▲6.0%、中部▲6.8%、四国▲7.2%、北海道▲7.6%。

9月のマイナス要因は、月前半の猛暑により秋物衣料が伸び悩んだこと。また毎週のように発生した台風などの天候不順や、休日が前年より1日少なかったことがあげられる。シルバーウィークも、昨年の5連休に対し3連休止まりで、大型とはいえない曜日回りだった。これらが重なって、客足が鈍った。

その中で、業種別にみると、飲食の好調が続いている。特に、映画のヒットが飲食の好調にプラスの作用をもたらした。最近のショッピングセンターにシネコンは欠かせない施設となりつつある。天候に恵まれなかったことが9月のマイナス要因としてあげられている。シルバーウィークの曜日回りも悪かった。しかしそのマイナス要因が、消費者のは旅行を止めて映画館に足を運ぶという、プラス要素となったかもしれない。ちなみに今大ヒットの映画はアニメの「君の名は」。ファミリー層を確保できる作品なので、なおさら集客に貢献した。映画を見た後は食事をし、店をめぐる。「買う場だけでなく楽しむ場」として力を入れてきたショッピングセンターの複合施設としての強みである。

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しかし、映画のヒットに助けられたといっても売上高は▲4.0%。
昨日まで報告している業態別報告をみると、コンビニ▲0.01%、スーパーマーケット▲%、総合スーパー▲3.2%、百貨店▲5.0%である。これと比べても、百貨店に次ぐマイナスである。

今後もショッピングセンターにとって映画のヒットが気にかかるところだが、もっと気になるのはやはり天気予報ということか。

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