【10月SC】ハロウィンと気温低下の衣料品回復で既存店0.9%増!

一般社団法人日本ショッピングセンター協会から10月のショッピングセンター(SC)販売統計調査が発表された。サンプル数は502。協会の定義は下記のようになっている。

SC 基準
SCは、ディベロッパーにより計画、開発されるものであり、次の条件を備えることを必要とする。
1.    小売業の店舗面積は、1500㎡ 以上であること。
2.    キーテナントを除くテナントが10店舗以上含まれていること。
3.    キーテナントがある場合、その面積がショッピングセンター面積の80%程度を超えないこと。
但し、その他テナントのうち小売業の店舗面積が1500㎡以上である場合には、この限りではない。
4.    テナント会(商店会)等があり、広告宣伝、共同催事等の共同活動を行っていること。

<テナント>
原則としてディベロッパーとの間に賃貸借契約を結んでいるもの(店舗)をいう。その他に、区分所有店舗、組合店舗、ディベロッパー直営店舗、委託店舗(消化仕入れ及び売上仕入れ店舗)等も便宜上テナントとして扱う。

<キーテナント及び業態:キーテナント>
当該SCの商圏・客層を決定する大きな影響力を持つ大型小売店舗であり、業態は次のように分類し、略称を採用した。
・(Dpt)デパートメントストア=百貨店
・(GMS)ゼネラルマーチャンダイズドストアーズ=総合スーパー
・(SS)スーパーストア=衣料品中心の大型スーパー
・(SM)スーパーマーケット=食料品中心の大型スーパー
・(HC)ホームセンター=住関連商品を扱う大型店
・(DS)ディスカウントストア=大衆商品を低価格で提供する大型店
・(Dgs)ドラッグストア=医薬品を中心に日用雑貨を扱う大型店
・専門店単品種、同一用途品を扱う大型小売店
・生協生活協同組合

一応、ショッピングセンター協会の定義で、これが業界の絶対的な定義ではないことをお断りしておく。


さて10月の既存SCの売上高は5213億8555万円で、前年同月比プラス0.9%となり、3カ月ぶりで増収となった。テナントは4114億8802円で1.5%プラスとなったが、キーテナントは1098億9753万円でマイナス▲1.0%だった。

立地別・構成別の下記表を見ると、テナントはプラス、キーテナントはマイナスと明暗が分かれた。総合で唯一マイナスとなっている中都市では、キーテナントに百貨店を持つ地方のショッピングセンターの不振が目立った。また、好調業種はテナントは飲食とサービス、キーテナントは生鮮食品。一方婦人衣料はいまだ不調が続いているが、下旬からの気温低下により少し回復したとの回答もあった。(表-1参照)

表-1 立地別・構成別 売上高伸長率
20161125_daily_SC01
(一般社団法人日本ショッピングセンター協会「SC販売統計調査報告2016年10月」より)

(注)大都市とは札幌・仙台・千葉・東京区部・川崎・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡・北九州の各市。
中都市とは上記都市を除く人口15万人以上の都市をいう。


立地別・地域別の結果は以下のとおり。(表-2参照)

表-2 立地別・地域別 売上高伸長率
20161125_daily_SC02

 (注)中心地域とは人口15万人以上の都市(東京23区を含む162都市)で、商業機能が集積した中心市街地を指す。周辺地域とは、中心地域以外のすべての地域。

総合ではすべての地域でプラスとなり好調。その中でも北海道、東北地方が好調で、特に東北の中心地域は14.1%と二桁の伸びとなった。中部地域以西ではプラス幅は小幅であった。

都市規模別・地域別の結果は、政令指定都市は「総合」で1.3%。
プラスだったのは仙台市14.2%、札幌市3.2%、神戸市2.8%、横浜市1.7%、大阪市1.5%、東京区部1.2%、広島市1.1%の7地域。
一方マイナスとなったのは、京都市▲0.1%、千葉市▲1.1%、川崎市▲1.1%、福岡市▲1.4%、
名古屋市▲1.5%、北九州市▲2.0%の6地域だった。

その他の地域(政令都市を含まない地域)は「総合」で0.7%。
プラスだったのは、東北3.2%、九州・沖縄1.3%、中部1.1%、四国1.0%、関東0.9%、中国0.2%、北陸0.1%の7地域で、マイナスだったのは北海道▲0.5%、近畿▲0.7%の2地域だった。

9月はどの表をみてもマイナスばかりだったが、10月は台風も去り、回復傾向だ。

10月の好調要因は昨年に比べ、日曜日が1日多かったこと。ハロウィンなどの販促イベントが売上げ増加につながったこと。前月から続いているシネマの好調による来店客数の増加。秋冬衣料が下旬からの気温低下により回復傾向となったこと。特にハロウィンイベントや販促セールと気温の低下がうまく重なったことが、ずっと低迷していた衣料品の売上げにつながった。

昨日まで報告していた10月の各業態の結果はスーパーマーケット(1.7%)、総合スーパー(0.6%)、コンビニ(0.2%)と3業態はプラス。しかし百貨店だけがマイナス3.9%だった。キーテナントに百貨店を持つ地方のショッピングセンターが不振だったとの回答があったが、百貨店の不調はここにも影響を及ぼしている。

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