【11月総合スーパー・食品スーパー】相場高の影響で既存店売上高0.8%、1.7%と2カ月連続増
日本チェーンストア協会が「チェーンストア販売統計11月度速報」を発表した。チェーンストア協会加盟企業の多くが総合スーパー業態を運営する企業が占めているため、この統計から総合スーパーの販売動向を読み取ることができる。
11月の調査対象企業は57社、9462店(前年同月より136店増、対前月より38店増)。
総販売額は1兆0804億6746万円。既存店前年比は0.8%と2カ月連続でプラスとなった。
売場1㎡当たりの売上高は4万2820円(前年同月比プラス1.1%)。
11月実績は下記のとおり。
1)食料品 6913億9036万円(構成比64.0%) 1.6%
農産品 1002億9868万円(9.3%) 12.5%
畜産品 848億1186万円(7.8%) 0.8%
水産品 612億0475万円(5.7%) ▲3.7%
惣菜 803億1392万円(7.4%) 1.9%
その他食品 3647億6115万円(33.8%) 0.0%
2)衣料品 979億2808万円(9.1%) ▲4.1%
紳士衣料 212億3874万円(2.0%) ▲4.9%
婦人衣料 275億9472万円(2.6%) ▲6.8%
その他の衣料・洋品 490億9462万円(4.5%) ▲2.2%
3)住関品 2253億6882万円(20.9%) 1.3%
日用雑貨品 920億5220万円(8.5%) 1.1%
医薬・化粧品 286億7994万円(2.7%) 0.2%
家具・インテリア 586億9086万円(5.4%) 3.4%
家電製品 123憶1521万円(1.1%) 0.4%
その他商品 336億3061万円(3.1%) 0.1%
4)サービス 28億1659万円(0.3%) ▲14.1%
5)その他 629億6361万円(5.8%) ▲0.2%
11月は、中旬以降気温が上昇したことにより秋・冬物の動きが鈍く、衣料品はマイナスとなった。しかし、相場高により農産品は12.5%と二桁増となり、水産品のマイナスをカバー。食料品全体では1.6%増。また住関品の動きもよく、総売上高は2カ月連続でプラスを維持した。
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一方、日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体の合同調査結果「スーパーマーケット販売統計調査11月実績速報版」は以下のとおり。
11月のスーパーマーケットの総売上高は8572億4020万円で、既存店前年同月比は1.7%増と、こちらも2カ月連続でプラスとなった。
1)食品合計 7605億6286万円(構成比88.7%) 2.0%
①生鮮3部門合計 2935億6488万円(34.2%) 4.0%
青果 1203億1936万円(14.0%) 12.3%
水産 728億7389万円(8.5%) ▲2.5%
畜産 1003億7163万円(11.7%) 0.1%
②惣菜 822億2046万円(9.6%) 2.1%
③日配 1647億1217万円(19.2%) 1.4%
④一般食品 2200億6535万円(25.7%) ▲0.2%
2)非食品 723億6462万円(8.4%) 0.8%
3)その他 243億1318万円(2.8%) 3.2%
生鮮3部門の合計は4.0増と好調で、とくに青果は12.3%と二桁増だった。
では、部門別に詳細を見てみよう。
青果部門
大型野菜(キャベツ・レタス・大根など)、きゅうり、かぼちゃなどの相場高騰により、一品単価が上昇したことで全体としては好調。他に好調だったのは、気温低下により鍋物用野菜。相場高により小分け・少量販売、カット野菜。果物ではとくにみかんが味や品質が良かったことで売上げを伸ばした。
水産部門
生するめいか、さんま、鮭が水揚げ不足で相場高及び品薄となり不調。煮魚・鍋物の動きも鈍かった。しかしまぐろは比較的相場が安定し好調だった。
畜産部門
牛肉は和牛を中心に相場高が続いており、単価の安定している国産牛、輸入牛、豚肉や鶏肉の売込み強化を図る店舗が多かった。そのため単価は伸び悩んだ。鶏肉は鍋物需要で好調だったが、鶏インフルエンザの発生で今後が心配されている。加工品は回復傾向。
惣菜部門
青果物相場高の影響を受け、サラダや和惣菜が好調。また気温の低下により、から揚げやてんぷらなどのホットメニューの動きも良かった。
日 配
気温の低下により練り物やおでんの具などが好調。また、野菜の高騰を受け、冷凍野菜や漬物も売上げを伸ばした。そのほかには、機能性ヨーグルトや乳酸菌飲料が好調。しかし卵が価格の下落により不調。
一般食品
米類は単価上昇にもかかわらず好調。気温の低下によりカレーやシチュー関連商品も売上げを伸ばした。野菜の高騰を受けて野菜飲料の売れ行きが良く、菓子類もチョコレートを中心にやや良好。ボジョレーヌーボーは前年並み。また不調だったのは、麺類とのコメントが多かった。
非食品部門
気温の低下で冬物商材、インフルエンザ予防関連の動きが良かった。しかし他業態との競合が厳しく、伸び悩んだ店舗も多かった。
11月のマイナス要因は、日曜日が一日少なかったこと。プラス要因は、青果の相場高と気温の低下。とくに気温に関してはいえば、全国的に上旬は低く、中旬は高かった。この気温の変動が、冬物商材の売れ行きに影響を与えた。
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最後に、小売り主要4業態の11月の既存店の販売動向のまとめ。
スーパーマーケットがプラス1.7%%、
総合スーパーがプラス0.8%、
コンビニがプラス0.5%
一方、百貨店は▲2.4%となった。
11月もまた、唯一、百貨店だけがマイナスだった。12月は歳暮商戦、クリスマス商戦、年末商戦と小売業にとっては最大の書き入れ時だ。百貨店も踏ん張りどころだ。
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