5月主要4小売業態統計まとめ|コンビニ以外はマイナスと厳しい結果を招いた

5月度の主要小売業態別の売上高が出揃った。あらためて既存店の業績をまとめておこう。前月4月は珍しく4業態すべてがプラスと好調だったが、5月はコンビニ以外はマイナスとなった。

コンビニエンスストア +1.0%
百貨店 ▲0.04%
スーパーマーケット ▲0.6%
総合スーパー ▲1.8%

コンビニは4業態の中で唯一プラス。好天に恵まれたことで、ゴールデンウイークや週末の行楽需要の売上げを順調に伸ばした。しかし、既存店来店客数は▲0.4%と15カ月連続のマイナス。客単価が26カ月連続でプラスを維持しており、客数減をカバーしている。この傾向は続いている。

百貨店は、円安株高によるストック効果やインバウンド購買が好調だったことで、高額商材は売上げを伸ばした。しかし前年5月に比べ日曜日が1日少なかったことが影響し、全体売上高はわずかながら昨年に届かなかった。顧客別に見ると、シェア4.2%のインバウンド売上げは42.8%と6カ月連続で好調を維持。一方、95.8%を占める国内市場は▲1.3%と10カ月連続のマイナスとなり、相変わらず国内消費は厳しい状況だ。

スーパーマーケットは、日曜日が1日少ない曜日回りと青果相場下落の影響を受け、主力の生鮮が伸びず全体でマイナスとなった。水産は不漁が続いたことに加えて、アニサキス報道の影響を受けて、▲3.5%と厳しい結果。唯一畜産だけは1.0%プラスとなった。肉はいつも安定している。ゴールデンウイーク、こどもの日、母の日の特需もあまり売上げに貢献していない。その上今年のゴールデンウイークは最大9連休にもなったことで、大型店にお客さまが流れた傾向が見られた。しかし6月からの酒税法改正前の駆け込み需要により酒類は好調だった。

総合スーパーは、相場安の影響で農産品が苦戦し、畜産品、惣菜だけがプラスを維持した。衣料品は、婦人バッグやエプロンなどの母の日関連商品は好調。しかし5月前半の気温低下が影響して夏物衣料が苦戦した。住関連は、家具・インテリアはプラスを維持したが、全体的に商品の動きが鈍かった。

最後に、すでに発表されているショッピングセンターの結果は、プラス0.1%で3カ月連続でプラス。ゴールデンウイークは天候に恵まれたこともあり、来客数が増加した。また母の日ギフトも売上げを伸ばし、後半の高気温とともに夏物衣料にも動きがみられた。前年同月よりも日曜日1日減というマイナス要因をはね返し、微増ながら健闘した。

スーパーマーケットの発表で、「ゴールデンウイークは最大9連休にもなったことで、大型店にお客さまが流れた傾向が見られた」とあったが、ショッピングセンターの結果にそれが表れている。日曜日1日減というマイナス要因をゴールデンウイーク、こどもの日、母の日などの特需でどのくらいカバーできたかが、5月の各業態の課題だった。

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