8月スーパーマーケット統計|日照不足・豪雨・お盆期間変化で既存店0.2%減
日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体の合同調査による「8月スーパーマーケット販売統計調査」が発表された。調査対象企業は全国の181社。
8月の総売上高は9254億2317万円。既存店は前年同月比0.2%減となった。8月は記録的な日照不足となり、顧客の来店頻度が下がって、全体として売上げは伸びなかった。
部門別の売上高、売上構成比、対前年比(店舗調整後)の数値は以下の通り。
食品合計は8324億0915万円(89.9%)▲0.1%
生鮮3部門合計 3091億0312万円(33.4%)▲0.2%
・青果 1274億6410万円(13.8%)▲1.8%
・水産 794億8066万円(8.6%)▲1.1%
・畜産1021億5836万円(11.0%)+2.5%
惣菜 993億0974万円(10.7%)+0.4%
日配 1777億1252万円(19.2%)+0.1%
一般食品 2462億8377万円(26.6%)▲0.1%
非食品 671億4092万円(7.3%)▲0.7%
その他 258億7354万円(2.8%)▲1.3%
JSAの江口法生専務理事が8月の消費動向とスーパーマーケットの販売傾向を解説した。
「8月は全店昨対比で101.3%、既存店99.8%。既存店は4カ月連続で昨対比割れとなった。ただし、徐々にマイナス幅は縮まっている。相変わらず規模の大きいところが伸びていて、規模による格差が鮮明に出ている」
「8月は西日本で気温が高く、北・東日本は平年並みだった。北・東日本の太平洋側では日照時間がかなり少なかった。一方で、東日本の日本海側では台風の影響もあり、降水量が多かった。このため、アイスクリームやビール、飲料など、代表的な夏物商材は苦戦した」
野菜は月の前半は相場安が継続し、加えて昨年天候不良で高騰していた北海道産イモ類やタマネギが豊作となり、相場安となった影響を受け、単価が下落した。中下旬は相場も上がり、トマトやキュウリなどのサラダ関連は好調で、追い風となった。果物は出荷が遅れていた桃やブドウが好調だったが、気温が低かった地域でスイカやメロン、梨が不調だった。カットフルーツは各社が販売に力を入れ、好調となった。
水産は2016年5月から今月まで16カ月連続で既存店昨対比割れ。漁獲量の減少やアニサキス報道による影響で、生魚、刺身については前半は苦戦したが、お盆期間は平年並みとなった。土用二の丑があったことや、昨年より相場安となったことで、ウナギは国産、中国産問わず好調となった。サンマは価格高騰もあり、前年に比べ好調だった。価格高騰が続くマグロは好不調が分かれた。
畜産は好調だった。とくにステーキや焼肉用の牛肉は好調だった。国産豚は相場高で伸び悩んだが、冷シャブ用の動きはよかった。やはり相場高の鶏肉は好不調は企業ごとに格差があった。加工肉は総じて不調だった。
惣菜は、天候不順だった地域ではレジャー需要が減少し、商品の売れ筋も変化した。寿司類やO157の発生でサラダ類には影響が見られた。ポテトサラダに代表されるような要冷惣菜の売上げは厳しかった。一方、前年との気温差が大きかった地域では天ぷらや揚げ物は好調となった。
日配は気温差の大きかった地域ではアイスクリームの落ち込みが大きかった。チルド飲料、麺類、豆腐、ところてんなども不調だった。一方で、夏休み需要を受け、冷凍食品や、パン類は好調で、関連してバターやチーズの動きはよかった。
一般食品は前年との気温差が大きくなった地域では、麺類などの夏物商材、飲料やアルコール類の落ち込みが大きかった。菓子類はスナック類やチョコレートが好調となった。
非食品はヒアリ報道などで殺虫剤がよく売れた。天候不順により花火類、たばこや紙製品などは不調だった。
前年との気温差、日照不足、降水量の多さなどの要因により、夏物商材は不振となり、食品は先月に続き、昨対マイナス。一方で山の日の影響によるお盆期間の変化などもあり、惣菜や日配は昨対プラスとなった。ホームセンターやドラッグストアとの価格競争が激しさを増す非食品は、先月に続いてマイナスとなった。
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