ツルハnews|小売業初の「データクリーンルーム」/顧客データ活用の高度化
(株)ツルハホールディングス(北海道札幌市、鶴羽順社長)は、小売業では初めての取り組みとして、「ツルハデータクリーンルーム(DCR)」を構築した。
DCRとは、プラットフォーム企業の管理下でデータ共有・分析を行う広告効果可視化の仕組み。個人情報の漏洩リスクを最小限に抑えることができるというもの。IoTとAIを活用したDX支援事業者の(株)アドインテ(京都府京都市、十河慎治社長)との協業によるもので、ツルハグループのリテールメディア領域におけるデータ分析の精度とセキュリティ向上を進める。
インターネット上で広く活用されてきた3rd party Cookie(サードパーティクッキー)の利用に対する規制がプライバシー保護の観点から世界的に広がり、データビジネスに携わる企業や広告主にとって大きな影響をもたらすと予測されている。
3rd Party Cookieを活用したデジタル広告では、ターゲティング精度の向上や効果測定が、来年以降より一層困難になる一方で、ブランド育成に必要であるLTV(顧客生涯価値)向上目指す上で、自社データだけではなく、他社データと連携していく必要性も高まっている。
プライバシーに配慮しながら自社データの分析を進める手法の一つとしてDCRが注目されるようになった。DCRの活用によって、広告主であるブランドメーカー各社が保有するデータと、ツルハグループが保有する顧客の来店、購買データをセキュアな環境で突合をさせながら、高度な顧客分析や精度の高い広告配信の実現を目指す。