ストップ&ショップnews|240店舗の社員約3万人がストライキ6日目に突入
アホールド・デレーズUSA傘下のスーパーマーケット「ストップ&ショップ」の3万人以上のUFCW(全米食品商業労働組合:United Food and Commercial Workers International Union)加入社員が、マサチューセッツ他3州でストライキに入って16日で6日目となった。
アホールド・デレーズUSAはアメリカ第3位の規模を有するスーパーマーケット・チェーンだ。本体のアホールド・デレーズはオランダのロイヤル・アホールドとベルギーのデレーズが2015年に統合した小売業のコングロマリットで、ヨーロッパとアメリカにチェーン網を築く。そのアメリカの企業は、それぞれアホールドUSAとデレーズ・アメリカだったが、本体の統合とともに、アメリカの子会社同士も経営統合して、アホールド・デレーズUSAとなった。
ニューヨーク州にドミナントを築くストップ&ショップはアホールドUSA傘下の企業だった。
労組加入社員は賃金、健康保険料、年金積立に対しての改善要求を掲げている。昨年、親会社は20億ドルもの利益を上げているにも関わらず、社員の待遇が改善されていないと訴えている。
ストイキに参加しているのは、キャッシャー、ストッカー、ベーカー、デリ・クラーク、ブッチャーなどで、これまでの3年契約は2月23日に失効している。
部門長を含む彼らフルタイムの社員は、現在平均時給21.30ドルを得ている。会社側は時給50セント分の昇給、健康保険料の2~4ドルの値上げ、自己負担額は据え置き、社員の年金積立額の増額などの解答を出しているが、組合側は不足だとしている。今のところ両者の話し合いは進んでおらず、会社側は管理職及び臨時雇用で、店舗の部分運営を続けている。
アメリカの失業率は今年4月段階で3.8%と極めて低く、インフレも目立ってきており、労組側は簡単に妥協できない状況になってきている。この10年ほどUFCWのストライキはなかったが、好景気による人手不足によって業界全体の賃金が上がってきている。つまり労働力に関しては売り手市場である。それが強気の労働組合側の背景にある。