感謝祭商戦、ネット売上増も総支出は減
アメリカの年末商戦は3段階。
10月のハロウィンにはじまり、
11月のサンクスギビング(感謝祭)、
そして12月のクリスマス。
この間、一年の中で最高売上高をたたき出す日がある。
それが先週11月29日の金曜日、
いわゆる「ブラックフライデー」。
11月の第4木曜日にあたるサンクスギビングの翌日に行われる、大特価セールの日。
この日ばかりはどの店も黒字になるため、ブラックフライデーと呼ばれる。
最近ではブラックフライデーの前倒しが顕著で、
前日の木曜日の夕方からセールを始める企業も多くなってきた。(詳しくはこちらの記事へ)
木曜日の夜から店は客でごった返す。
このように、店に足を運んで買い物をする人がこれだけいるのだから、
オンライン・ショッピングもかなりの売上げになることは容易に想像できる。
さて、今年のサンクスギビング商戦の結果やいかに。
AdobeSystems社の調べによると、
ブラックフライデーのオンライン売上高は19億3000万ドル。
前年比なんと、30%のプラス。
過去最高記録を今年も更新。
しかし一方で、全米小売業協会(NRF)の発表によると、
11月28日のサンクスギビング・デーからその週末にかけての4日間。
いわゆるサンクスギビング週間の総支出額は、
574億ドル(100円換算で約5兆7400億円)だった。
前年比マイナス3%と伸びなかった。
消費者の平均支出額は407ドル(約4万円)で、
こちらもマイナス3.9%という結果。
ただし、この4日間に買い物に出かけた人は1億4100万人で、
昨年の1億3900万人より1.4%増加している。
つまり客数は増えているにもかかわらず、売上げは減っている。
消費者の財布の紐はまだまだ固い。
また、ブラックフライデーも「ショールーミング」の場となったのだろう。
それを物語るデータがある。
サンクスギビング翌週の月曜日にインターネットで繰り広げられるのが、
サイバーマンデーだが、この日のオンライン総売上高は
22億9000万ドル(約2290億円)で前年比プラス16%だった。
ブラックフライデーのオンライン売上高を大幅に上回っている。
リアル店舗から、オンラインへと、
実際の売上げは移行している。
クリスマスまで残すところあと3週間。
全米小売業協会は、クリスマス商戦の最終的な小売売上高を、
3.9%増加すると予想している。
どこまで巻き返せるか、全米リテーラーの腕の見せ所だ。
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