クローガー 2013年度決算は1.8%増収・1.5%最終増益
全米第1位のスーパーマーケット・クローガーが6日、2013年度決算を発表した。売上高は983億7500万ドル(約9兆8375億円、1ドル=100円換算)で前年同期比1.8%増加したが、営業利益は27億2500万ドル(約2725億円)・同▲1.4%、経常利益は22億8200万ドル(約2282億円)・同▲0.9%で前年を下回った。純利益は15億1900万ドル(約1519億円)・同1.5%増で最終増益を確保した。
クローガーは米東南部に展開するスーパーマーケット企業ハリス・ティーターの買収を1月28日付で完了しているが、2013年度決算の損益計算書上には反映されていない。
クローガーの既存店売上高は前四半期まで40四半期連続で前期実績を更新中。今回発表された2013年度第4四半期実績でも210億3900万ドル(約2兆1039億円)と前期比4.0%増加し、これで41四半期連続プラスを達成した。2013年度通期では884億8200万ドル(約8兆8482億円)で前年同期比3.3%増だった。2014年度の既存店売上高の伸び率は、買収したハリス・ティーターの店舗を含め2.5~3.5%増を見込んでいる。
「カスタマー・ファースト・イノベーション(顧客第一のイノベーション)」を掲げて成長戦略を遂行しているクローガーは、これまでにスピーディーなチェックアウトの実現などに取り組んできた。2014年度第1四半期は「コーポレートブランド(プライベートブランド)」と「デジタル」に焦点を当てる。
クローガーは2013年度にプライベートブランドで937の新商品を投入。そのうちの100品は「Simple Truth」ブランドで、このブランドが2012年9月の導入以来、「驚くべきペース」(マイク・エリス社長COO)で急成長している。2014年度末には、Simple Truthブランドの売上げが10億ドル(約1000億円)に届きそうだという。ちなみにクローガーのプライベートブランドには「Kroger」や「Value Brand」「Big K」など計12ブランドがあり、販売数量ベースで27.2%、金額ベースで24.4%を占めている(ガソリンと医薬品を除く)。
Simple Truthはオーガニックとノンオーガニックの2つの製品ラインがあるが、いずれも顧客が望まない101種類の人工保存料・成分を使用していないことが特長。オーガニックラインには米農務省(USDA)のオーガニックシールが貼られている。ナチュラル&オーガニックフードへの潮流が、大衆的なスーパーマーケットでも顕著になってきたといえる。
もう一方のデジタルへの取り組みは、クローガーが最近買収したデジタルクーポン企業の「ユーテクノロジー(YOU Technology)」の活用だ(Kroger デジタルクーポンの「YOU Technology」を買収・商人舎magazine 2014年2月14日)。クローガーのデジタルクーポンの発行枚数は急激に増加していて、先月6日にはクーポン発行枚数がなんと累計10億枚に達している。2010年にサービスを開始してからおよそ4年での大台突破だ。
M&A(ハリス・ティーター)、サービス(チェックアウト)、商品(プライベートブランド)、プロモーション(デジタルクーポン)。次々と繰り出すクローガーの施策が、既存店売上高の41四半期連続増という輝かしい実績をつくりだしている。