ステイプルズ減収減益・オフィスデポ合併の複占で米国オフィスサプライ業態崩壊?!

アメリカのオフィスサプライストアが停滞、減退。
第1位のステープルズは、2月から4月の第1四半期決算で減収減益。
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海外事業まで含めた総売上高はこの3カ月で56億5000万ドル。
1ドル100円で換算すると5650億円。前年同期と比べると、マイナス2.8%。
日本流にいえば営業利益にあたる純利益は
9600万ドル。96億円。
こちらはマイナス
43.4%の大減益。

売上げは既存店の減少のうえに店舗閉鎖が重なった。
海外事業からはドル高による為替変動の目減りがあった。

利益は粗利益率が24.9%となって、前年同期比マイナス1.1%。
これに
リストラ費用が重なった。

ステイプルズの2014年1月期本決算は、売上高231億1400万ドル、2兆3114億円。
伸び率マイナス5.2%。
純利益は6億2000万ドル(620億円)だったから、利益トレンドはさらにダウンした。

期末店舗数は1846店だったが、この第1四半期に16店閉鎖、第2四半期も80店の閉鎖予定。
今年度は140店のスクラップ計画で、さらに
2015年末までに225店を閉鎖すると発表。
これは前期末の
12.2%に当たる。

オフィスサプライストアと言っても、商品構成は、
オフィス・サプライ商品(文房具が中心)が43.9%
オフィス機器・関連製品29.7%
コンピュータ・関連製品14.1
それに
オフィス家具 5.6%、サービスが6.7%。

年商2兆円強、1800店の大チェーンが、苦境に陥っている。

しかしこれはステイプルズだけの一企業問題ではない。

第2位のオフィスデポは、第3位のオフィスマックスと昨2013年11月5日に合併完了。
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これでオフィスサプライ業界は完全に「三占から複占」になった。
これは商人舎の指摘の通り。

1.「寡占」とは少数の供給者がある一定の市場のほとんどを支配し、互いに競争している状態。
2.「三占」とは三者によって市場のほとんどが支配されてしまう状態。
3.「複占」とは二者によって市場のほとんどが支配されてしまう状態。

社名はOffice Depotだが、店舗ロゴにはいまだ両方記載されている。
その新生オフィスデポも2016年末までに400店以上の店舗閉鎖を予定している。

オフィスデポの第1四半期決算は、売上高43億5400万ドル。4354億円で、前年比60%増。 
売上げには当然、合併効果が表れたが 、営業利益は7900万ドルの赤字。    

期末総店舗数はオフィスデポが1235店、オフィスマックスが941店だったから、
総店舗数は2176店
となるところだが、もう3月末に1900店まで減少させていて、
それをさらに1700店台まで絞っていく。


この複占状態のオフィスサプライストアの体たらく。
最大の理由はアマゾンをはじめとするEコマースの急成長。
恐ろしいことが起きている。

しかし、日本でいう文房具を業態にしたオフィスサプライストアは、
デジタル化によって、オフィス・オペレーションがペーパーレス化した影響を受けている。

デジカメによって、フィルムが売れなくなって、コダックが倒産したことと同じ。

そのくせ、一部文具を扱っているコンテナストアは絶好調。
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ここでもアメリカの業態が新フォーマットに食われていることが実証された格好だ。

もちろんウォルマートもターゲットも、ダラーゼネラルもダラーツリーも。
そしてスーパーマーケット群も文房具は扱っている。

オフィスサプライストアの業態崩壊が見えてきた。

〈結城義晴〉

 

検索キーワード: ステープルズ オフィスサプライ オフィスデポ コンテナストア

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