タイCPオールのM&A イオン対セブンの競争?
東南アジアのタイ王国。
そのコングロマリット・CPグループ。
傘下にある食品小売企業CPオールは23日、
同国でディスカウントストアを展開するサイアム・マクロを買収すると発表。
タイの現地企業サイアム・マクロは、
オランダのSHVホールディングスが保有する。
まず、その発行済み株式の64%を取得する。
残りの株式については、
7月から8月にかけて
株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化する。
最終的な買収額は、
1888億8000万バーツ(約6520億円)になる見通し。
CPオールは、2013年3月末時点で、
コンビニエンスストアの「セブン‐イレブン」を
タイ国内に7041店展開している。
これは世界のセブン-イレブンとしては、
日本1万5218店、アメリカ8116店に次いで第3位。
韓国の7031店を追い抜いてしまった。
2012年12月期の売上高は、
1887億0200万バーツ(約6504億円)。
コンビニエンスストアの店舗売上げが全体の90%以上を占め、
あとはその関連事業。
従業員数は3万9047人。
設立は1988年。
親会社のCPグループは
1921年に設立されたタイの多国籍企業。
主力分野は農業、食品、小売り、通信などで、
世界15カ国以上に進出。
グループ年間売上高が
330億ドル(約3兆2823億円)にも達する巨人。
一方、買収されるサイアム・マクロは、
卸売業をタイ全土に展開しつつ、
キャッシュ・アンド・キャリーの倉庫型店舗マクロ57店を運営。
2012年12月期の売上高は、
1143億3200万バーツ(約3491億円)。
従業員数は5174人。
設立はCPオールと同じ1988年。
今回の買収の背景には、
東南アジア諸国連合(ASEAN)で進む
ASEAN経済共同体(AEC)構想がある。
AECの主な目的は、
ASEANを単一市場とする自由貿易圏をつくること。
2015年を目途としている。
だから、今回の買収は、
タイの国内流通企業の手で、
農産物や中小製造業の製品群を、
6億人の巨大な市場に売り込もうというのが
本当の目的だ。
一方、東南アジア市場を目指す日本企業の代表イオンは、
イオン・タイランド ( AEON(Thailand)CO., LTD.)で、
食品スーパーマーケット29店を展開しているが、
CPオールのセブン-イレブンは、
米国セブン-イレブン・インクのエリアフランチャイジーで、
米国セブン-イレブンを通じて改革が進められ、
そのセブン-イレブン・インクは、
日本のセブン-イレブン・ジャパンの子会社として、
強力に日本のマネジメントが入っている。
したがってCPオールによるサイアム・マクロの買収は、
セブン&アイvsイオンの、
タイにおける競争の前哨戦という意味も有することとなる。
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