米国ホリデーシーズンの小売業販促費・割引率と返品処理システム

日本ではイオンの「ブラックフライデー」でスタートした年末商戦。
アメリカでは11月第4木曜日のサンクスギビングデーから12月25日のクリスマスまでの期間を、「ホリデーシーズン」と呼んで、年間最大の書き入れ時という位置づけがなされている。
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そのアメリカのホリデーシーズンへの導入時の調査を、コンサルタント会社ダイナミックアクションがレポートしている。このレポートは、11月1日から12月5日までの消費者の購買調査から、割引率を前年と比較したものだ。

今年のホリデー商戦導入期の販促費は昨年に比べて52%増加していた。今年全体の販促費は34%増だが、この時期はさらに18%も増加している。

しかしこの販促の結果、調査小売業の粗利益は昨年に比べて19%減少した。

小売業のマーケティング費用は今年全体で7%アップしているが、ホリデーシーズンには25%も増加している。

そのくせ、新規顧客獲得は今年全体で12%減、ホリデーシーズンには6%のマイナスである。

つまりホリデーシーズン突入期の11月、厳しい商戦が展開されたということだ。

一方、このレポートは在庫に関しても調査している。今年前半の過剰在庫によって、昨年と比較して在庫は12%増えた。オンライン販売の在庫率も4%増加している。送料に関しては無料配達が3%増加した。

返品に関しては、昨年と比べて今年全体で6%、ホリデーシーズンでは26%増加している。

その返品に関しては、米小売業協会が調査し推定している。

アメリカのスーパーマーケットなどでは返品はないとされるが、非食品では返品も起こる。
しかしそれは小売業側の経費として処理される。ここが日米の大きな違いだ。

昨年返品された商品の総額は2600億ドルであり、販売総額の約8%だ。ホリデーシーズンには、返品率がさらに2%ほどアップして、約10%になる。

そしてこの返品額の大半が小売業側の経費となる。

そこで返品された商品の多くは処分されるか、あるいはリクイデーターと呼ばれる回収会社に売却される。その価格は売価の数パーセントでしかない。つまりたたき売り。

その後、オフプライスストアや蚤の市、さらにオンラインなどで割引販売される。

家電チェーンのベスト・バイでは、売上高の約1割の4億ドルが返品される。同社では3年前から、この返品経費を減らすために、オンライン注文商品を店舗から発送している。返品商品を再販し、配送センターでの破損を減らすために、梱包が改善される。
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こんな状態が蔓延すると、この返品処理をビジネスにする企業も登場してくる。ワシントンDCに本拠を持つオプトロ(optoro)は、ITテクノロジーを使って返品処理の最適化を実現している。

オプトロのシステムは、小売業の倉庫、店舗、本社などで返品状況をモニターし、最適な処理方法を提案するというもの。

同社CEOトビン・ムーアは説明する。「これまで、15%から30%だった返品回収額が2倍にも3倍にもなる」。

すでにホームデポ、ターゲット、BJ’sホールセール、ジェット・コムなどの小売チェーンがこのシステムを導入。メーカーでは大手20社のうち16社が顧客となっている。
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返品された商品はオプトロ所有のテネシー州のセンターに送られ、チェックされた後、使用可能な場合は修理調整され、アマゾン、イーベイ、さらにオプトロの自社サイトBlinq.comで販売される。

修理が難しい場合は、これも同社のBulq.comを通じて、自分で修理ができるマニアや回収業者などにまとめて販売される。

同社の扱い商品は、電子機器が3分の1弱、ホームとガーデン商品が20%、ベビー、衣料、他の家電商品が20%を占めている。

オプトロのビジネスは、小売業においては返品商品の回収額が増え、消費者にとってはバーゲン商品の購入が可能となり、社会全体にとってはゴミや廃棄品が減る。まさに近江商人の「三方良し」のウィンウィン・ビジネスということになる。

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