ウォルマートnews|第3四半期決算は売上高4.2%増/eコマース5割増
注目のウォルマート・ストアーズ・インク第3四半期の決算が発表された。
総収入は1231億7900万ドル(1ドル100円換算で12兆3179億円)で前年同期比4.2%増と好調だ。
営業利益は47億6400万ドルで、これは6.9%減。純利益は17億4900万ドルで、42.4%減。この利益の減少はウォルマート・ドットコムをはじめとするオンラインビジネスへの投資が原因である。1株当たりの利益は58セントで、これも42.4%マイナス。
ウォルマートUSの米国内のスーパーセンターを主体とする事業の既存店は、客数が2.7%、客単価が1.2%、それぞれ増加して、全体の売上高は2.7%の増加と好調。
サムズ・クラブは客数が3.6%増加、客単価は0.8%減少、全体では2.8%の増加となった。
ウォルマート・インターナショナルの売上高は、前年比4.1%増の295億ドルだった。こちらも好調だ。
特筆すべきは国内の eコマース売上高で、これは5割の増加。
ウォルマート・ドットコムで注文した生鮮を含む商品を、最寄りの店舗で受け取れる仕組み「Site to Store」の対応店を1100店に増やし、その人員を増強している。来年も1000店を加え、やがては現在の5332店全店になる。ウォルマートの考え方はあくまでもネットとリアル店舗との相乗効果である。それがアマゾンにないものだからだ。結果として、8~10月には生鮮食品の売上げが過去5年で最高の伸びを示した。
しかし、この eコマースは国内の既存店売上高に対して0.8%しか寄与していない。まだまだオンライン売上げは少ない。食品スーパーマーケットのネイバーフッドマーケットは国内のウォルマートUSに対する構成比が6%だった。
これからの米国内の成長は eコマースとネイバーフッドマーケットが担うことになる。
商品カテゴリー別に見ると、グローサリーが低い1桁台、ヘルス&ウェルネスが1桁台の中間、ジェネラル・マーチャンダイズが低い1桁台。
粗利益は0.18%減少したが、それはディスカウントの影響である。ウォルマートは店頭で見ても、この3カ月に相当のディスカウント政策を打ち出したが、それでも粗利益率は0.18のダウンに過ぎなかった。
ダグ・マクミロン社長兼CEOのコメントは「私たちには勢いがあります」と元気がいい。
「今期は全てのビジネス部門で力強い結果を生み出しました。アソシエーツの素晴らしい働きに感謝します。eコマースの拡大と店舗の改善効果を土台にして、お客様のご来店とお買物を推奨しています。お客様の時間とお金を節約し、簡単で、迅速で、フレンドリーで楽しい売場を提供しています」
百貨店をはじめとして他の小売業のすべてが「アマゾン・イフェクト」(アマゾンの影響)を強烈に受けるなかで、ウォルマートの5割増は「さすが!」といった印象だ。しかし、ウォルマートの米国 eコマース市場に占めるシェアはいまだ約4%に過ぎない。4割を超えるといわれるアマゾンの10分の1である。
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