スプラウツnews|’17年度47億ドル15%増・純利益134%増/grab&go奏功
米国スプラウツ・ファーマーズ・マーケットが2017年度通期と第4四半期の業績を発表した。2017年度は1月1日から12月31日までと切りのいい期間だ。
まず第4四半期の売上高は11億4393万ドル(1ドル100円換算で1143億9330万円)で、これは前年同期比15.9%の増加だ。既存店売上高も4.6%のプラス。
営業利益は3708万ドル(37億0840万円)、前年比22.8%だったが、純利益は3970万ドル(39億6990万円)で、こちらは133.5%の増加。
一方、2017年度通期の売上高は46億6461万ドル(4664億6120万円)で、15.3%の増加。いまだスプラウツの勢いは衰えを見せない。既存店売上高も2.9%の増加。
営業利益は2億2607万ドルで、前年比10.6%増、純利益は1億5844万ドルで、27.5%の増加である。ちなみに1株あたりの利益は39%増加して1.15ドルだった。
第4四半期にカリフォルニア州に新店を3店オープンさせて、店舗総数は15州にわたる285店となった。
CEOのアミン・マレディアのコメント。
「プライベートブランドの売上げは前年度比で3割増えて、全体の12%に成長した。これらのアイテムに対しては、顧客の信頼度も高いという調査結果が出ている」
ストアロイヤルティが高まれば、プライベートブランドの信頼も高まる。スプラウツの営業の根幹がここにある。
「デリカテッセンのプログラムは強化、拡大されて、それが130店舗以上に導入された。その一つが『グラブ&ゴー(grab-and-go)』の選択肢を終日提供にすることだが、これで売上高が高まった」
「grab」は「つかむ」、「go」は「行く」。つまり商品提供のスピードを上げることだが、惣菜デリを「グラブ&ゴー」にしたことで、待たせない体制が出来上がった。
「grab-and-go」はレジ無し店舗の「Amazon Go」にも使われる言葉だが、マクドナルドなどでも注文を聞いたら即、提供することを「grab-and-go」という。
日本マクドナルドホールディングスが苦境にあえいでいた2015年、サラ・カサノバCEOがこの「grab-and-go」を採用した。繁忙時に、店舗で商品を作り置きするシステムで、これならば調理時間を待てない忙しい顧客のニーズに応えることができる。
原田泳幸前CEO時代には、「メイド・フォー・ユー」を実施した。これは注文後に調理・提供するサービスで、つくり立て感や美味しさの向上を目的にしていた。実際に、シェイクシャックなどは「メイド・フォー・ユー」だが、これは提供のスピード感が犠牲になる。カサノバはこの「grab-and-go」のスピードで、マクドナルドを立て直した。
スプラウツのデリのサービスは、この「スピード」によって、向上している。
アミン・マレディアCEO。
「2018年には、生鮮部門のプライドベートブランドをさらに拡大する」
「スプラウツ・マーケット・コーナー・デリ」、「ザ・ブッチャー・ショップ・アト・スプラウツ」、「スプラウツ・フィッシュ・マーケット」などのブランドだ。つまり惣菜や生鮮食品にブランドをつける作戦だ。これもストアロイヤルティを上げることに貢献する。
さらにマレディアCEOは顧客の経験価値を説く。
「インストアとアウトサイドの両方で顧客のエクスペリエンスを強化し、配達の拡大、新ウェブサイト、アプリなどを導入し始めている。配達は、新しくインスタカートと提携して、店舗展開地域全域で始める」
スプラウツは従来、アマゾンと提携して、配達サービスを提供していた。しかし、徐々にインスタカートに切り替えるという方針である。それはアマゾンがホールフーズマーケットを傘下に収めたからだ。
スプラウツの業績が良くなればなるほど、ホールフーズは痛手を受ける。スプラウツもアマゾン+ホールフーズをターゲットにしている。
検索ワード:スプラウツ・ファーマーズマーケット アマゾン・ゴー グラブ&ゴー(grab-and-go)