2月百貨店売上速報|4社ともに増収も客数減・天候不順で苦戦

主要百貨店4社の2月売上高が発表された。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比109.0%、大丸松坂屋百貨店は101.6%、阪急阪神百貨店は101.0%、高島屋は102.8%だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の総売上高は前年同月比109.0%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比111.1%、日本橋本店の店頭売上げは110.9%と伸長した。「まん延防止等重点措置」の適用と天候不順の影響を受け、グループ百貨店を中心に2月全体を通して売上げが伸び悩んだ。しかし、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、お得意様向けのイベントなどによって、時計・宝飾・ラグジュアリーブランドなどの高付加価値商品が好調に推移した。

国内百貨店計の売上高は5カ月連続、首都圏三越伊勢丹計の売上高は6カ月連続で前年を上回った。免税売上高は、首都圏三越伊勢丹計、国内百貨店計ともに前年実績を上回った。


J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、山本良一社長)は、大丸松坂屋百貨店が前年同月比101.2%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では101.6%。新型コロナウイルス感染症の拡大や大丸札幌店において記録的な大雪の影響などを受けたものの、ラグジュアリーブランドや宝飾品が好調に推移し、大丸松坂屋百貨店合計(既存店)では102.4%、関係百貨店を含めた百貨店事業合計(既存店)では102.7%となった。大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は119.1%(客数60.3%、客単価197.5%)だった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は前年比101.0%。阪急本店が前年比106.8%、阪神梅田本店が98.7%だった。

1月下旬以降、「まん延防止等重点措置」が継続するなか、来店動機につながるバレンタインなどのモチベーション商戦が下支えとなり、阪急本店が健闘した。その結果、売上高は前年実績を上回る結果となった。

来店を敬遠する顧客が多く、オンライン売上高(EC・リモートショッピングサービス「Remo Order」)が前年の2割増と好調だった。

阪急本店は、服飾雑貨、ラグジュアリーの売上高前年比が2割増と引き続き好調だった。バッグ、宝飾品、時計がけん引する傾向が続いている。

オンライン施策として、売上高が前年比約4割増となったEC以外にもOMO施策に注力した。専用SNSアカウントの新設によって商品の再入荷情報などをタイムリーに発信したこと、YouTubeやインスタグラムを活用した高頻度のライブ配信を実施したことなど、新たな取り組みを強化したことが奏功した。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の11店舗で既存店前年比103.2%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比102.8%だった。

依然として新型コロナウイルスの影響を受けたものの、前年の緊急事態宣言による一部店舗の営業時間短縮や外出自粛影響の反動に加え、高額品が引き続き好調に推移したことから、前年実績を上回った。

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