2月百貨店売上速報|4社とも増収/春物衣料・ラグジュアリーなどが好調

主要百貨店4社が2月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比121.4%、大丸松坂屋百貨店は121.8%、阪急阪神百貨店は124.7%、高島屋は117.5%だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で121.4%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは127.6%、三越日本橋本店は121.7%、三越銀座店は148.1%、伊勢丹立川店は104.3%、伊勢丹浦和店は100.2%。首都圏5店で既存店126.4%と二桁増で好調だった。両本店・三越銀座店の3店舗は、ともに7カ月連続でコロナ前の2018年度を上回っている。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店では、引き続き高付加価値商品が売上げを牽引した。ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心にジャケットやブルゾンなどの春物アウターが好調に推移した。継続してハンドバッグや財布などの革小物、 化粧品などの売上げも伸⾧している。お得意様向けのイベントやバレンタイン関連イベントなども好調に推移した。

免税売上げは春節の影響もあり、単月最高額となった12月に次ぐ高水準となった。全体傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、宝飾・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高い。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比122.0%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも121.8%となった。

2月度の売上高は、婦人服のカットソーやシャツ、紳士服のジャケットなど春物ファッションが活発に動いたことに加え、ラグジュアリーブランドや化粧品も大きく売上げを伸ばした。また、バレンタイン商戦も好調に推移した。

店舗別では、15店舗中14店舗が前年実績を上回り、そのうち8店舗が対前年2桁増となった。訪日外国人売上げなどが好調な心斎橋店、札幌店は対前年比で4割超の増加となった。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は、春節での訪日外国人客の増加により、ラグジュアリーブランドや化粧品の売上げが大きく伸張したことなどから、対前年比238.6%増(客数200.2%増、客単価12.8%増)となり、月度最高売上げを更新した。

 

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比124.7%。阪急本店では132.5%、阪神梅田本店が119.1%だった。

来店動機につながるバレンタイン商戦が活況を呈し、インバウンド客も引き続き多く、来店客数が順調に推移した。中旬での気温の上昇もあり春物ファッションの動きが良く、加えて2回の3連休や閏年に伴う営業日1日増など好条件も重なり、全店の売上高前年比は2割増と高い伸びを示した。中でも都心店全店が売上高前年比2桁増と好調で、特に阪急本店や博多阪急が3割増と牽引した。

売上高の2019年2月対比は127%、インバウンドを除く国内売上高対比は115%だった。中でも阪急本店は2019年対比140%(同国内売上高対比121%)、阪神梅田本店は111%(同113%)といずれもコロナ前水準を大きく上回る結果となった。

免税売上高は引き続き高い水準で推移し、同月対比として9カ月連続、単月としても過去最高を更新した。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比18.5%、国内百貨店子会社3社を加えると117.5%だった。

2月度の店頭売上高は、国内顧客では春物衣料・雑貨を中心に堅調に推移した。また、インバウンドでは「春節」期間中の客数増加に加え、ラグジュアリーブランドを中心とする高額品が伸長したことから、2023年・2020年・2019年を上回った。免税売上高は、前年比173.8%増、2020年比445.5%増、2019年比64.1%増と大きく伸長し、全体を押し上げた。

店舗別売上高では、大阪店、京都店、泉北店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、柏店、岡山店、岐阜店、高崎店が前年実績を上回った。

商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、子ども情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、サービスが前年実績を上回った。

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