4月百貨店売上速報|4社とも増収/夏物・ラグジュアリーなどが好調
主要百貨店4社が4月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比115.2%、大丸松坂屋百貨店は113.5%、阪急阪神百貨店は119.9%、高島屋は116.3%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で111.3%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは117.6%、三越日本橋本店は110.8%、三越銀座店は129.1%、伊勢丹立川店は97.0%、伊勢丹浦和店は90.6%。首都圏5店で既存店115.2%と二桁増で好調だった。両本店・三越銀座店の3店舗は、ともに10カ月連続でコロナ前の2018年度を上回っている。
伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店では、引き続き高付加価値商品が売上げを牽引した。ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾、化粧品などが引き続き好調だった。後半の気温上昇で例年と比較して夏物アイテムへの関心が高く、各店で実施した様々なイベントも集客につながり、売上を牽引した。
免税売上げは単月最高売上高だった昨年12月を大きく更新。全体傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、宝飾・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高い。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比113.5%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも113.1%となった。
4月度の売上高は、名古屋店の大型改装による売場面積縮小や休日が少ない月であったものの、訪日外国人売上が前年の3倍となるなど好調に推移し、ラグジュアリーブランド、化粧品が大きく売上を伸ばした。
店舗別では、15店舗中11店舗が前年実績を上回った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は、対前年比212.6%増(客数同138.5%増、客単価同31.1%増)となった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比119.9%。阪急本店では129.8%、阪神梅田本店が105.7%だった。
春の行楽や新生活を背景にお客の購買意欲は高く、全店売上高は対前年で約2割増と好調だった。都心店の売上高は引き続き高い水準で、中でも阪急本店の売上高前年比は約3割増と牽引した。
また婦人・紳士ファッション全般が好調で、インバウンド客の売上も押し上げとなり各カテゴリーの売上高は対前年で2桁増、中でも服飾雑貨や化粧品、ラグジュアリー、紳士カテゴリーは3割増を上回る水準となった。
免税売上高は引き続き好調で、前年に対して3.5倍、中でも阪急本店は約3.6倍と引き続き好調。お花見シーズン後も高水準で推移し、同月対比として11ヵ月連続、単月としても3ヵ月連続で過去最高を更新した。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比117.3%、国内百貨店子会社3社を加えると116.3%だった。
4月度の店頭売上高は、国内顧客では気温の上昇に伴いブラウス、カットソーや日傘、帽子などが堅調に推移した。その他ゴールデンウイークに向け、スーツケースなどの旅行用品にも動きが見られた。また、インバウンドではラグジュアリーブランドを中心とする高額品が伸長したことから、単月としては2ヵ月連続で過去最高を更新した。免税売上高は、前年比209.0%増、2019年比106.6%増、2018年比112.2%増と大きく伸長し、全体を押し上げた。
店舗別売上高では、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、大宮店、岐阜店が前年実績を上回った。
商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、スポーツ、リビング、美術、食料品、サービスが前年実績を上回った。