10月百貨店売上速報|4社とも増収/厳しい残暑も高額品中心に売上げ好調
主要百貨店4社が10月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比102.0%、大丸松坂屋百貨店は102.3%、阪急阪神百貨店は105.1%、高島屋は103.0%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で102.0%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは107.0%、三越日本橋本店は100.2%、三越銀座店は110.1%、伊勢丹立川店は99.2%、伊勢丹浦和店は86.9%。首都圏5店で既存店104.5%と好調が続く。
商品面では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのハンドバッグ、宝飾品、化粧品などが堅調に推移した。年間夏日の最高日数を更新するなか、前半は顧客の防寒アイテムに対する購買マインドが上がり切らなかったが、10月下旬になって一日の寒暖差が大きくなり始めるとジャケットやアウターなどのアイテムへの関心の高まりが見られた。
免税売上げは前年を超えて推移しており、国内百貨店計(既存店)の全体購買傾向と同様、ラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高い。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比102.3%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも102.4%だった。
10月度の売上高は、休日が対前年比で1日減であったことや、気温が平年より高く推移したことによる秋冬物衣料品へのマイナス影響があったものの、ラグジュアリー、化粧品、時計などの売上げが好調であったことなどから、大丸松坂屋百貨店合計では対前年2.3%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計では同2.4%増となった。
店舗別では、松坂屋 静岡店が8.1%増、大丸 心斎橋店が6.6%増、大丸 札幌店6.0%増、大丸 梅田店が5.8%増、博多大丸5.5%増と、好調だった。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、国慶節期間中に大きく売上を伸ばしたことなどから、前年同月比127.8%増 (客数同45.1%増、客単価13.6%減) となった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比105.1%、阪急本店が108.0%、阪神梅田本店が106.7%だった。
10月に入っても大阪では一部真夏日が継続し、また大半が夏日という高い気温のなか、秋物ファッションの動きが再び鈍化したが、免税売上げが好調な阪急本店、博多阪急に加え、阪神梅田本店が牽引し、全店売上高合計は前年実績を上回った。
免税売上高は、国慶節の影響もあり前年に対して約4割増、阪急本店も約4割増と好調が継続し、同月の売上高
では17カ月連続で過去最高を更新した。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比103.0%、国内百貨店子会社3社を加えると102.7%だった。
10月度の店舗別売上高は、大阪店103.8%、京都店106.7%、日本橋店105.7%、横浜店102.4%、新宿店107.3%、EC店105.9%、高崎店100.0%と7店舗が前年実績を上回った。
商品別売上高(当社分類)は、婦人雑貨、特選衣料雑貨、食堂、サービスがが前年実績を上回った。
免税売上高は「国慶節」期間中の客数増加もあり、135.1%(9月度比20.4%増)で推移した。一方、免税を除いた店頭売上高は96.5%。気温が高かったこともあり、婦人服や紳士服などの動きが弱く、前年実績を下回った。