1月百貨店売上速報|4社とも増収/ラグジュアリーや冬物商品が好調
主要百貨店4社が1月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比113.7%、大丸松坂屋百貨店は112.2%、阪急阪神百貨店は106.1%、高島屋は108.1%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で113.7%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは125.3%、三越日本橋本店は107.4%、三越銀座店は126.9%、伊勢丹立川店は100.9%、伊勢丹浦和店は95.1%。首都圏5店で既存店118.8%と好調が続く。
商品面では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのハンドバッグ・財布・衣料品のほか、宝飾品、化粧品などが堅調に推移した。1月も引き続き婦人・紳士ともにコートやセーターなども売上げを牽引した。加えてお得意様向けイベントの開催もあり、春物も好調に推移した。
免税売上げは、前年実績を大きく上回った。国内百貨店の全体購買傾向と同様に、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ・財布、宝飾品・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高い。また、今年は春節が前年より約2週間前倒しとなったことも好調の要因となっている。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比112.2%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも111.8%だった。
1月度の売上高は、コートなどの定価商品が大きく売上を伸ばしたほか、ラグジュアリーブランド、化粧品、宝飾品が好調を持続した。
店舗別では、15店舗中11店舗が前年実績を上回った。外商顧客向け催事の売上げが好調だった心斎橋店のほか、訪日外国人売上高が好調な札幌店が対前年約3割増となった。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、前年同月比87.5%増 (客数66.0%増、客単価13.0%増) となった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比106.1%、阪急本店が112.3%、阪神梅田本店が90.8%だった。
中旬にかけて最高気温が10度を下回る日も多く、重衣料を中心に冬物ファッションが引き続き好調に推移した。特に阪急本店、博多阪急の売上高は前年比約1割増と全体を牽引した。
阪神梅田本店は、改装に伴う売場の閉鎖影響や大型催事の開催月の変更、年始休業日の1日増加などにより、前年の売上高を下回ったが、催事を除いた店頭売上高は前年比100%と堅調だった。
免税売上高は、前年に対して約4割増、阪急本店も約5割増と引き続き好調で、同月の売上高では20カ月連続で過去最高を更新した。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比108.1%、国内百貨店子会社3社を加えると105.8%だった。
1月度の店舗別売上高は、大阪店107.2%、京都店118.3%、日本橋店110.2%、横浜店103.3%、新宿店114.4%、玉川店101.6%、EC店116.6%、高崎店105.9%と8店舗が前年実績を上回った。
商品別売上高(同社分類)は、紳士服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、スポーツ、美術、サービスが前年実績を上回った。