日生協news|全国生協の事業概況と今後の活動方針を発表

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日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、東京都渋谷区、土屋敏夫代表理事会長)は、全国生協の事業概況と今後の活動方針を発表した。また、生協の横断的な取り組みである「DX-CO・OPプロジェクト」の進捗と新たな施策、コープ商品事業の注力分野である「エシカル消費対応商品」の進捗についても併せて報告した。

ロシアによるウクライナ侵攻、急激な円安・値上げ、原料逼迫など、世界的に先を見通せない状況のなか、商品の大幅値上げが家計に影響を及ぼしている。全国の生協で「組合員の生活」を一丸となって支え、コープ商品の「利用しやすい価格」と「品質」をあらためて紹介し、組合員のくらしに最大限役立てることを目指す「くらし応援全国キャンペーン」を1月~3月の期間で実施している。全国の生協店舗では、売場でPOPやのぼりを配置し、統一ロゴを活用している。キャンペーンは地域によって差はあるが、豆腐・ちくわ・納豆・牛乳などの日配品が好調に推移している。

日本生協連は、持続可能な生産と消費のために、エシカル消費対応商品の開発や認知向上に取り組んでいる。全国の生協でも、エシカル消費対応商品に関するキャンペーンの実施や、組合員への学習活動・イベントを通じて、エシカル消費や持続可能な社会に関する理解を促進している。

2021年度には59生協(前年40生協)が、SDGs・エシカル消費・気候変動関連の学習活動を行い、44生協(前年33生協)がイベントや体験活動を実施している。

2022年度のコープ商品のエシカル消費対応商品の供給金額(売上高)は前年比106.5%となる2169億円となった。既存商品の容器包装問題への対応が進み、エコマーク認定商品(前年比185%)とFSC認証商品(前年比119%)の供給金額が伸長しているほか、ふっくらしらす干しのMEL認証化で大きく伸長している。

2022年度の主な取り組みは2つある。
1つ目は「コープサステナブル」シリーズの進捗。
「コープサステナブル」シリーズは「海の資源を守る」「森の資源を守る」「Organic」の3テーマに加えて、「リサイクル材使用」シリーズを新たに追加し、再生PET使用つめかえボトルを配置した。22年度末の品目数は195品(前年比+68品)、供給高は推計174億円(前年比116.9%)を見込んでいる。

2つ目はプラスチック問題対応の加速。
PET飲料販売数3位の「CO・OP ただの炭酸水」の再生PETボトル化などを進め、トマトジュースや食用油などで紙容器品を発売するなど、プラスチック問題対応を加速させている。また、再生・植物由来プラスチックへの切り替え商品は、2022年度内に280品増加し792品に到達した。

「DX-CO・OPプロジェクト」は、日本生協連が、生活協同組合コープ東北サンネット事業連合、コープデリ生活協同組合連合会、生活協同組合東海コープ事業連合と4者共同で組合員の新しいくらしの実現を目指す、生協の横断的な取り組みだ。2021年4月から、このプロジェクトを推進するために3つの連合会下での検証を行い、成果が確認できた取り組みから順次、日本生協連を通じて全国の生協へ導入を進めていくとともに、新たな取り組みも検討している。

2022年度の取り組みは3つある。
1つ目はレシピから注文できるWebサービス「コープシェフ」。
お好みのレシピをタップするだけで、レシピに使われている食材を注文できるWebサービス「コープシェフ」は、当初はみやぎ生活協同組合のみでの取り扱いだったが、現在は生活協同組合コープ東北サンネット事業連合、生活協同組合連合会コープ中国四国事業連合、生活協同組合コープ北陸事業連合、生活協同組合連合会東海コープ事業連合の4事業連合21県で導入しており、その他の生協でも導入に向けて具体的な検討を進めている。

2つ目は最大1週間分の献立を自動で作成する「こんだてアシスト」。
ワンタップで家族構成・好み・栄養などを考慮した最大1週間分の献立を自動で作成し、必要な材料の宅配注文ができるサービス。2021年4月にコープこうべでリリースされ、現在も運用を継続している。コープデリ連合会でも導入に向け準備中だ。

3つ目はデジタルツールの実証実験の開始。
生協の学びや交流の場づくりをデジタル化し、運営の効率化を図り、お知らせチャネルを広げる。組合員活動を知らない人たちとの接点をつくり、新たな参加を創出するデジタルツールの実証実験を、みやぎ生活協同組合、生活協同組合コープみらい、生活協同組合コープぎふで開始する予定だ。

時間や場所にとらわれず、生協が企画者、場の運営者、呼びかけ人となり、つながることができる場をつくる。同じ価値観を共有した人たちがつながって、くらしと地域を少しずつ良いものに変化させ、共通の思いでつながることをサポートする。このデジタルツールを通じて、若者など、生協と接点が少ない人たちとも、新たな流動的なコミュニティづくりをしていく。

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