アスクルnews|プラスチック容器の水平リサイクル実証実験を開始
(株)アスクル(東京都江東区、吉岡晃社長)は、花王(株)のグループ会社である花王プロフェッショナル・サービス(株)(東京都墨田区、小澤正明社長)とともに、プラスチック容器を水平リサイクルするための実証実験を 開始した。実施期間は 2023年2月21日(火)~2024年2月20日(火)の予定。
アスクルは、BtoB最大規模のEC顧客基盤と独自のEC物流という強みを活かし、バリューチェーン全体を資源循環型に進化させて使用済み製品などの回収・再資源化を促進し、限りある資源の有効活用を推進することを目指す。
2022年4月に「プラスチック資源循環促進法」が施行されて以来、企業におけるプラスチック製品の廃棄削減への対策は急務となり、事業者のプラスチック資源循環への取り組みの重要性はより一層高まっている。一方で、プラスチック製品の水平リサイクルについては、バージン材による商品製造よりも商品製造コストを上げないためのスキーム構築が最大の課題である。
しかし、これを解決するためには、回収運搬コストを抑えること、単一素材での資源回収を実現すること、汚れや異物の混入を防止することなど複数の条件を満たすことが要求され、単独の事業者でこれらを実現することは難しというのが実情だった。これらの課題を解決し、資源循環型社会の実現を目指すため、この実証実験を行うことを決定した。
この実証実験の目的は、①回収オペレーションの課題抽出と確立、②配送品質の検証、③再生原料を使用した容器の再成型と評価、④商品化への検討、⑤コストの検証。
対象商品は「花王 ハンドスキッシュ アルコール消毒剤 800ml」で、ASKUL サービスの商品配達時に回収依頼があればその場で回収し、配達ドライバーに、袋に入れて封をした状態で回収容器を渡す。東京都千代田区の大手飲食店チェーン(提供事業者)から開始し、東京都21区に拡大展開する予定だ。
この実証実験における役割は以下の通り。
•アスクル
提供事業者が各店舗で保管していた対象商品の使用済み容器を、商品配達時に回収し、アスクルの物流拠点へ集約する。使用済み容器の回収について、店舗・個数を記録し、情報を管理する。洗浄状況、分別状況を確認し、花王が指定する事業者へ引き渡す。
•花王プロフェッショナル・サービス
リサイクルされた樹脂を使い、容器の再成型・最適な配合・安全性を評価し、商品化を検討する。
•提供事業者
使用済み容器をルールに沿って分別・保管し、アスクル商品の配達ドライバーへ引き渡す。