J.フロントnews|’20年商4806億円4.5%増収1.5%減益/不動産事業が好調

J.フロントリテイング(株)(東京都中央区、山本良一社長)が2020年2月期(2019年3月1日~2020年2月29日)の連結決算を発表した。同社は国際会計基準(IFRS)に則って決算発表をしている。

その連結の売上収益は4806億2100万円(前期比4.5%増)、営業利益402億8600万円(1.5%減)、当期純利益は212億5100万円(22.3%減)と、増収減益だった。

それでも営業利益率は8.4%だった。

4つの事業別の決算が明らかになっている。

⑴大丸や松坂屋の百貨店事業
9月に大丸心斎橋店本館建て替えオープンし、富裕層や訪日外国人客への対応強化を図った。また、拡大する富裕層マーケットに対応するため、新たな外商ビジネスモデルの展開に向けて ICT を活用した業務支援システムの整備や新たな組織体制の構築に取り組んだ。

しかし、自然災害の発生に伴う営業時間短縮や休業、消費税率引き上げによる消費低迷に加え、新型コロナウイルス感染症の影響などから、売上収益は前年比4.2%減の2637億4800万円、営業利益は27.2%減の2176億2500万円と苦戦した。

⑵パルコ事業
一部のパルコ既存店舗や事業などが苦戦したものの、新たに開業した錦糸町パルコや新生・渋谷パルコなどが貢献したこと、渋谷再開発における保留床売却等によって、売上収益は前年に比べて24.7%増の1122億1200万円と好調だった。営業利益は前年度において店舗営業終了に伴う損失やその他店舗の減損損失などを計上した反動もあって、98.7%増の108億2300万円となった。

3月にリノベーション型の開発物件である「錦糸町パルコ」を、6月に沖縄の(株)サンエーとの共同事業による「サンエー浦添西海岸PARCOCITY」を、8月に「川崎ゼロゲート」を、11月に「新生・渋谷パルコ」を開業した。

⑶不動産事業
アーバンドミナント戦略における重点エリア(上野、名古屋、京都、心斎橋、神戸)を中心に、不動産賃貸事業の強化に取り組んだ。具体的には4月に京都烏丸エリアに「BINO東洞院」を、12月に松坂屋上野店第二別館跡地に「BINO御徒町」を新たに開業したほか、11月に心斎橋エリアで「DAIMARU WHITE AVENUE(大丸ホワイトアベニュー)」を改装オープンした。また、2017年度に開業したGINZASIXが堅調に推移したこともあって、売上収益は4.7%増の177億9300万円と好調だった。営業利益は2020年秋に開業予定の大丸心斎橋店北館への投資が先行した一方、固定資産の売却等によって44.2%増の67億2500万円となった。

⑷クレジット金融事業
加盟店手数料収入や割賦販売利息収入などが増加して、売上収益は1.4%増の107億1900万円だった。しかし営業利益は、決済・金融サービスを基軸とする中長期の成長実現に向けた人財採用、組織強化などによる費用が増加したため、19.1%減の19億0800万円だった。

2021年2月期の連結業績は売上収益4110億円、営業利益120億円を予想している。

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