バローnews|20年3月期年商6781億円2割増・経常利益5%増/2期連続増益
(株)バローホールディングス(岐阜県多治見市、田代正美会長兼社長)が2020年3月期の決算を報じた。
営業収益は前年同期比19.8%増の6780億9600万円の大幅増だ。利益は営業利益が155億1500万円(前年同期比9.2%増)、経常利益168億7800万円(4.9%増)と2期連続増益となった。しかし特別損失が増加したことなどから、純利益は前年同期比18.1%減の64億7700万円だった。
バローホールディングス(HD)は主力のスーパーマーケット事業、ホームセンター事業、ドラッグストア事業の小売りのほかに、スポーツクラブ事業、ペットショップ事業などを展開する。
バローHDは2019年4月1日に福島県のダイユー・リックホールディングス(HD)とホームセンター事業を統合した。ダイユー・リックHDが(株)ホームセンターバローを株式交換によって子会社化して、バローHDの子会社となる統合だ。またこれに伴って、ダイユー・リックHDはアレンザホールディングス(株)に社名を変えている。この統合によって規模が拡大したホームセンター事業や、ペットショップ事業を含むその他の事業、前期から積極的にM&Aを行ったスーパーマーケット事業、そして既存店売上高が好調に推移した。ドラッグストア事業も増収に寄与した。3月末のグループ店舗数は1175店舗。
営業利益率2.3%、経常利益率2.5%。
スーパーマーケット(SM)事業の営業収益は3727億3300万円(前年同期比5.5%増)、営業利益は90億5000万円(4.1%減)。(株)バローでは、大型店を中心に実施してきた改装を2020年2月から中型店舗(売場面積400~550坪)で始めた。中型店舗は全店舗の約4割を占める。また(株)アークスと(株)リテールパートナーズとの間で締結した資本業務提携のもと、加工食品では限定商品の導入や共同販促企画の実施、生鮮食品では共同仕入れ、産地情報の共有化を進めている。
2019年8月に千葉県で生鮮ディスカウントストアを展開する(株)てらお食品を子会社化した。この取得4店舗を含めると14店舗を新設して、6店舗を閉鎖した。3月末のスーパーマーケット店舗数は298店舗。
ドラッグストア事業の営業収益は1393億5800万円(前年同期比9.1%増)、営業利益は43億1700万円(前年同期比23.8%増)。食品や調剤の伸長に加えて、新型コロナウイルス感染症対策としてマスク・除菌関連商品の売上げが好調だったことから、既存店売上高が前年同期比で5.3%増加した。またEDLP(エブリデイ・ロー・プライス)とローコスト・オペレーションを進めて、経費率を低減したことによる売上総利益率の改善に支えられて、増収増益となった。岐阜県のひだ薬局とサンファーマシーの買収もあって3月末の店舗数は416店舗。そのうち調剤扱い店舗は107店舗。
ホームセンター(HC)事業の営業収益は1143億0100万円(前年同期比107.2%増)、営業利益は34億6500万円(前年同期比32.5%増)。アレンザホールディングス下の事業会社(株)ダイユーエイト、(株)ホームセンターバロー、(株)タイムの3社計で既存店売上高が前年同期比で0.4%減少した。しかしアレンザグループが寄与し、増収増益となった。仕入機能をダイユーエイトとタイムに移行し、持株会社が商品開発・共同仕入れを行って原価低減を図るよう、9月に組織体制を改めた。プライベートブランドは既存在庫の調整を行いながら、新ブランド「Alleanza(アレンザ)」の開発・導入を順次進めている。3月末店舗数は148店舗。
スポーツクラブ事業の営業収益は135億9700万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は5億5600万円(前年同期比17.3%減)。フィットネスジム「スポーツクラブアクトスWill_G(ウィルジー)」の出店を加速した。店舗数は192店舗(うちフランチャイズ運営50店舗)。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、3月に全店舗で13日間営業を自粛したことが響いて、増収減益。
2021年3月期は営業収益6900億円(前年同期比1.8%増)、営業利益157億円(1.2%増)、経常利益172億円(1.9%増)、純利益70億円(8.1%増)を見込む。