リテールパートナーズnews|年商2418億円5.7%増・経常利益77.9%増

(株)リテールパートナーズ(山口県防府市、田中康男社長)が2021年2月の本決算を発表した。リテールパートナーズは (株)丸久、(株)マルミヤストア、(株)マルキョウのスーパーマーケット三社で構成される。

営業収益は2418億4400万円(前年同期比5.7%増)、営業利益は83億8400万円(87.7%増)、経常利益は92億7900万円(77.9%増)だった。また、受取保険金など1億0200万円を特別利益に計上する一方、減損損失や投資有価証券評価損など17億9900万円を特別損失に計上したため、当期純利益は49億3200万円(120.2%増)となった。

営業利益率3.5%、経常利益率3.8%。

中心となるスーパーマーケット事業は、営業収益2220億5500万円(5.0%増)、営業利益82億5700万円(81.7%増)の増収、大幅増益だ。営業店舗数は226店舗。

丸久は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況を鑑み、2020年4月から5月にかけて、チラシ販促を自粛したが、週間販促プロモーション「店長の太鼓判」企画の強化および曜日別・時間帯別サービスの強化に取り組んだ。10月に稼働した丸久プロセスセンターでは生鮮商品の強化および差別化を図るとともに、従来、店舗で製造を行っていた一部の生鮮食品をセンターでの製造・供給へ切り替え、店舗運営の効率向上を図った。

この商品製造拠点の一元化と、2020年3月1日付で実施した(株)中央フード、(株)四季彩の吸収合併による経営統合は、グループの経営のさらなる効率化に寄与することが期待される。

2020年7月に丸久浅江店(山口県光市)を新設し、虹ヶ丘店(山口県光市)を閉鎖した。また、12月にアルク小郡店(山口県山口市)、2021年1月に由宇店(山口県岩国市)、2月に福川店(山口県周南市)、宮市店(山口県防府市)、中央フード平田店(山口県岩国市)、徳佐店(山口県山口市)、サンマート鹿野店(山口県周南市)をそれぞれ改装した。このほか、2020年10月にピクロス通津店(山口県岩国市)、2021年1月にピクロス田布施店(山口県田布施町)を閉鎖した。なお、2020年3月1日付で(株)中央フードを吸収合併したことによって、営業店舗数は86店舗(うち「アルク」は43店舗)となった。

マルミヤストアと新鮮マーケットは、生鮮・惣菜の商品強化、新規出店や既存店舗の改装などによって店舗競争力を向上させた。コロナ禍での巣ごもり需要の高まりなどによる収益の増加や、密を避けるための販促企画の自粛など経費の減少によって利益の大幅な増加が見られた。一方で、来期に取り組みを予定していた店舗修理や従業員教育動画の撮影などを前倒しで実施した。

マルミヤストアは2020年4月にマルミヤストア清武店(宮崎県宮崎市)、12月に坂ノ市店(大分県大分市)、2021年2月に挾間店(大分県由布市)を改装した。2月末時点の営業店舗数は42店舗。新鮮マーケットの営業店舗数は14店舗。

マルキョウは、生鮮部門の売場を拡張し、加工場設備の衛生管理を強化する改修工事を実施した。商品力の強化策として、自社の仕入れを活用し、美味しさで差別化したオリジナル商品の販売を行った。さらにコロナ禍で、拡大が予想される内食需要のニーズを取り込むため、女性バイヤーを新たに増員した。

2020年4月にマルキョウ久留米インター店(福岡県久留米市)を新設し、3月に田村店(福岡市早良区)、8月に神野店(佐賀県佐賀市)、9月に早岐店(長崎県佐世保市)、10月に柳川店(福岡県柳川市)、11月に桧原店(福岡市南区)、12月に八女店(福岡県八女市)、2021年1月に武雄店(佐賀県武雄市)、2月に二日市店(福岡県筑紫野市)を改装した。一方で、2020年3月に南久留米店(福岡県久留米市)、4月にニュー吉野店(福岡県大牟田市)、7月に高木瀬店(佐賀県佐賀市)を閉鎖した。2月末時点の営業店舗数は85店舗。

ディスカウントストア事業は、マルミヤ傘下の(株)アタックスマートが担う。営業店舗数31店舗で、営業収益199億0900万円(14.2%増)、営業利益4億2900万円(76.6%増)と好調だ。「EDLC(エブリデイ・ローコスト)・EDLP(エブリデイ・ロープライス)」を掲げた節約志向が、一層高まった消費動向を捉えた。2020年4月にアタックスシープル店(熊本県苓北町)、12月に一万城店(宮崎県三股町)を新設し、11月に龍田店(熊本市北区)と新鮮市場AX安岐店(大分県国東市)を改装した。

【結城義晴の述懐】
中国地方西部と九州地方北部のエリアで営業収益2418億円、257店のネットワークは、首都圏や関西圏に見立てると4000億円や5000億円規模にも匹敵するか。新店開発と同時に条件の悪い店を閉鎖し続ける経営方針の貫徹が、この企業をさらに強くする。トップマネジメントのリーダーシップと傘下企業の連携がこれからの日本のリージョナルチェーンやローカルチェーンの在り方を示している。

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