イオンnews|第3Q営業収益が過去最高を記録/純損失も大幅改善
イオン(株)(千葉市美浜区、吉田昭夫社長)が2022年2月期第3四半期の決算を発表した。
2021年3月1日~11月30日の連結業績は、営業収益が6兆4505億6700万円(前年同期比0.9%増)で、9カ月累計として12期連続で増収となり、過去最高を更新した。
営業利益は892億4500万円(31.0%増)、経常利益は838億8900万円(42.2%増)と、いずれも大幅増益となり、四半期純損失についても89億5600万円(前年同期より536億3400万円の改善)と、500億円を超える大幅改善となった。
営業利益率は1.4%、経常利益率は1.3%。
第四半期は、新型コロナウイルス感染症変異株の急激な拡大によって緊急事態宣言などの活動規制が9月末まで断続的かつ長期的に続いた。それに伴って消費マインドが冷え込み、当初の想定を上回る厳しい外部環境となった。
GMS事業は営業収益2兆4353億0500万円(2.3%減)、営業損失291億5900万円(前年同期より2103億9100万円の改善)となった。
主力企業のイオンリテール(株)では、価格凍結したトップバリュの拡販や内食需要を捉える取り組みを強化した食品の売上高が好調に推移した。既存店の食品月次売上高は前年実績を14カ月連続で上回った。緊急事態宣言解除後の10月、11月には非食品部門を含む既存店売上高は2カ月連続で前年、前々年の実績を上回った。
11月19日~10日間に渡って開催した「イオン ブラックフライデー」では、化粧品、暮らしの品、ファッション、ベビー・キッズ商品などを幅広く扱う「イオンスタイル オンライン」の売上高が前年同期比138%増と大きく伸長した。コロナ下で需要が拡大したネットスーパーは、午前便の拡充や配送枠数の拡大を進めたほか、最長10日先の配送便を予約できる「先取り配送便」を開始するなど、利便性強化に取り組んだ結果、前年同期比約2割の売上げ伸長となった。
SM事業は営業収益1兆8885億8800万円(1.2%減)、営業利益164億4100万円(45.3%減)。
DS事業は営業収益2911億2600万円(2.7%減)、営業利益13億0700万円(55.5%減)。3月に、首都圏における小型のDS事業のドミナンスを加速し新たな成長戦略を築くことを目的に、(株)ビッグ・エーとアコレ(株)を経営統合した。6月には、2019年にマックスバリュ東海(株)とマックスバリュ中部(株)が保有するDS事業を承継したイオンビッグ(株)が、マックスバリュ長野(株)と合併し、DS事業の集約と強化を図った。
ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益7601億5600万円(6.2%増)、営業利益289億6000万円(8.8%減)。ウエルシアホールディングス(株)と同社連結子会社では、調剤併設店舗数の増加(11月末時点で1797店舗)によって処方箋受付枚数が引き続き増加し、調剤売上高前年同期比は15.1%増と大きく伸長した。
総合金融事業は、営業収益3502億1600万円(3.9%増)、営業利益465億1900万円(303.4%増)。イオンカードについては、Web限定の「カード新規入会・ご利用キャンペーン」に加え、ポイント制度を変更した結果、国内のカード有効会員数は期首比で48万人増加した。カードショッピングについては、コロナの影響を受けた業態での利用が徐々に回復したことや、イオンのネットスーパーや宅配サービス業者との利用キャンペーンなどの販促施策を実施したことで、取扱高がコロナ前の水準を上回り、第3四半期期間としては過去最高となった。
ディベロッパー事業は、営業収益2704億3400万円(14.2%増)、営業利益283億9100万円(18.3%増)。イオンモール(株)では、9月末まで緊急事態宣言が断続的に実施されたなか、クーポン配信、モール内の目的の店舗までのナビ機能など、顧客のためのサービスを組み込んだ「イオンモールアプリ」のダウンロード会員数が、3月末時点の約330万人から11月末時点の約612万人へ倍増した。第3四半期は4モールを新規オープンし、1モールを増床リニューアルオープンした。
サービス・専門店事業は、営業収益5114億5100万円(13.8%増)、営業損失41億1000万円(前年同期より106億1500万円の改善)となった。イオンディライト(株)では、従来の常駐型個別管理の品質を担保しながら設備管理の専門性を活かしたサービスを効率的に提供していくための新たな施設管理モデルであるエリア管理への変革を推進した。(株)イオンファンタジーの国内事業では、緊急事態宣言解除後の10月、11月の売上高がコロナ拡大前の2020年2月期の同月売上高に近い水準まで回復した。
(株)ジーフットはコロナ拡大により棄損した自己資本を補い、かつ、コロナの影響に耐え得る財務体質構築及び事業再生・成長軌道回帰のため、10月にイオンに対して第三者割当増資の引受けを要請した。その後の両社間での協議・交渉の結果、12月にジーフットが第三者割当により発行するA種種類株式をイオンが引き受けることについて合意した。
国際事業は(連結対象期間は主として1月から9月)は、営業収益3024億8100万円(4.4%減)、営業利益7億2100万円(77.6%減)。イオンマレーシアやイオンベトナムでは新型コロナウイルス感染症が再拡大し、衣料・住居余暇関連の売場が閉鎖されるなどの影響を受けた。中国のネットスーパーでは、ネット販売でのニーズが高いカテゴリーを重点とした販売促進に取り組むとともに、受注から配送までの時間を1時間で完了する取り組みを強化した結果、売上高は前年同期比で62.5%増と伸長した。