イオン九州news|営業収益4844億円・経常88億円/いずれも過去最高
イオン九州(株)(福岡市博多区、柴田祐司社長)が2023年2月期の本決算を発表した。営業収益4844億6600万円、営業利益83億3000万円(前期比47.1%増)、経常利益88億2900万円(前期比47.3%増)、当期純利益46億7200万円(前期比68.7%増)。いずれも過去過去最高となった。
SM、GMS業態では店舗面は、SM業態「マックスバリュエクスプレス竹下通り店(福岡県福岡市博多区)」「マックスバリュ下大利店(福岡県大野城市)」、GMS業態は「イオン島原SC(長崎県島原市)」を新規出店した。既存店の活性化ではSM9店舗、DS2店舗、GMS8店舗をリニューアルした。食品では、九州の生産者、お取引先さまと協力して地産地消・地産域消を推進したほか、「簡便・即食」ニーズに対応した総菜や冷凍食品の品揃え拡充に注力したことで、デリカ及びフローズン部門の売上げは前期比110.1%となった。また、顧客の節約志向に対応した「本気の価格1000品目」「50周年月間おすすめ価格」「トップバリュ」の展開強化により、対象商品の売上げは前期比116.3%となった。
さらにサステナブルな社会の実現に向けて、同社独自施策として「環境特別WAONボーナスポイント」を実施し環境配慮型商品の販売拡大に努めたほか、国連WFP協会が推進する「レッドカップキャンペーン」に賛同し、10月の「世界食料デーキャンペーン2022」に合わせて対象商品の売場を拡大するなど、お買い物を通してできる社会貢献の取り組みを積極的に推進した。
衣料品・住居余暇商品では、外出や社会行事関連の需要の高まりに対応するため、キャリーケース等のトラベル関連商品、ビューティケア商品等の売場展開を強化したほか、アウトドア、ウォーキングやフィットネス関連商品、ウェルネスフード等の品揃えを拡充した。
新たな取り組みとして、当社独自の雑貨ショップ「Smilefuill_days(スマイルフルデイズ)」を「イオン福岡店(福岡県糟屋郡粕屋町)」「イオン小郡店(福岡県小郡市)」に導入、部門の垣根を越えた商品展開、新規商品の導入により新規顧客の獲得に努めた。
また、4月に衣料品回収イベントを実施した。10月には、不要になった服や繊維くず等から生み出されたリサイクルポリエステルを使用した商品を使った「moz」ブランドとの共同で秋物商品の一部として九州7県の66店舗で展開した。
DS業態では、原材料調達や製造方法等さまざまな工夫をこらしトレードオフを徹底したオリジナルブランド商品を導入するなど、お客さまニーズの変化に合わせて積極的に商品の改廃を進めた。また、店舗作業を楽にするための什器投資を通じた働き方の見直し等、生産性の向上に努めた。売上高は4385億6800万円となった。
なお、収益認識会計基準等の適用影響を除いて算出した場合の前期比は104.2%。
期末時点の店舗数は、SM業態154店舗、DS業態32店舗、GMS業態66店舗となった。
HC業態は店舗面では、3月に「イオン若松SC(福岡県北九州市若松区)」内に「ホームワイド若松店」をオープンし、SC内のホームセンターとして新たな売場づくりに取り組んだほか、11月には新業態「GREEN PICNIC糸島(福岡県糸島市)」をオープンした。新業態では、生産者直送の多肉植物・花苗や観葉植物、雑貨やインテリア用品等の品揃えのほか、糸島エリアで人気のスイーツの販売等、「買う」「食べる」「遊ぶ・すごす」「地域とつながる」という4つのテーマで幅広い世代に対応した多目的ガーデニングプレイスづくりに取り組んだ。
商品面では、SDGsの取り組みとして環境配慮型商品を積極的に導入したほか、店舗特性に合わせて品揃えの見直しを進めた。2019年からサービス開始しているくらしサポートサービス「WIDE(ワイド)便」の実施店舗は、期中に導入した福岡県内3店舗、山口県内1店舗を含め、25店舗となった。期中の売上高は183億8100万円。収益認識会計基準等の適用影響を除いて算出した場合の前期比は104.4%。期末時点の店舗数は33店舗。
SDGs関連では、2019年より実施している「フードドライブ(食品の寄付活動)」では、新たに165店舗で取り組みを開始、さらに2023年3月には新たに「マックスバリュエクスプレス」や「ザ・ビッグ」、「ホームワイド」等を加え、九州7県及び山口県で合計279店舗に規模を拡大した。
その他、SDGs達成に向けた取り組みとして、7月に発足した「九州流通サステナビリティサロン」に参画し、九州の地場流通企業とともに課題を共有し、企業横断型で検討を進めている。8月には物流を取り巻く課題の解決策を企業横断型で検討することを目的に発足した「九州物流研究会」での活動に発展させている。