U.S.M.Hnews|営業収益7086億円・経常65億円47.6%減/減収減益

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)(東京都千代田区、藤田元宏社長、略称:U.S.M.H)は2022年2月期の本決算を発表した。U.S.M.Hは(株)マルエツ、(株)カスミ、マックスバリュ関東(株)の3社を事業会社に擁する。営業収益7086億9000万円、営業利益63億8400万円(47.5%減)、経常利益65億3600万円(47.6%減)、当期純利益13億3600万円(75.1%減)と減収減益。
営業利益率0.9%(1.7%)、経常利益率0.9%(1.7%)。( )は前年数値。

期中、グループとしては主力商品の価格抑制やPB商品の拡大などで商品の価格維持に努め、家計応援となるさまざまな販促施策に注力した。また運営面でも電気使用量の徹底した抑制やその他のコストの抜本的な見直しに取り組んだが、前期に対し150%を超える電気料金の高騰が利益を大幅に押し下げた。

今期は第2次中期経営計画の最終年度であり、掲げたコスト構造の変革、新たな店舗フォーマットの具現化、サービスや働き方の変革の取り組みを推進した。無人レジやスマホ決済の利便性向上、オンラインデリバリーやデジタル販促などのアウトプット、海外オフショアでの開発体制の確立などを基盤とし、これらを店舗に集約して新たなビジネスモデルとして試行する取り組みを社内横断的な体制で進めた。

商品面では、独自のサプライチェーン構築に向けて、新たなPB商品の開発や、完全室内栽培を実現した植物工場を本格稼働させ、ブランド商品化し販売を開始した。製造から販売までの一貫した製造小売モデルの構築に向け一歩を踏み出した。また、「新たな提供価値の創造」を具現化するため、オープンイノベーションプラットフォーム「AKIBA Runway」を始動させ、独自の技術や知見を持つさまざまな企業とのパートナーシップにより新しい試みの実験や検証に取り組んだ。

期中の出退店はマルエツ6店舗、カスミ6店舗、マックスバリュ関東が1店舗の計15店舗を新設した。一方でマルエツ4店舗、カスミ3店舗を閉鎖した。2月末のグループ店舗数は529店舗となった。内訳はマルエツ304店舗、カスミ194店舗、マックスバリュ関東31店舗。

事業会社別の状況では、マルエツは営業収益3756億8400万円(2.0%減)、営業利益36億7700万円(36.3%減)、経常利益35億7000万円(43.8%減)となった。

期中、「企業文化と収益構造の改革」を基本テーマとし、「ビジネスモデルの改革」、「売上総利益の改革」、「コスト構造の改革」に取り組んだ。また、冷凍食品の売場拡大や商品の改廃などを重点に既存店の活性化を行った。価格や品質にこだわった「maruetsu365」の展開や、オンラインデリバリー併設店を累計37店舗、フルセルフレジ導入店を累計205店舗に拡大した。加えて、「Uber Eats」を利用した店舗商品の配達サービスを65店舗で開始した。

その他、Scan&Go ignicaアプリによる会員制プログラム「マルエツプライム」を導入し、会員顧客への特典やサービスの提供を開始した。コスト削減の取り組みでは、フルセルフレジに加え、電子棚札やスライド棚の導入による省力化・省人化の推進、高騰する電気料に対して、使用量を抑制する等、コスト構造の改革に努めた。

カスミは営業収益2845億6200万円(1.1%増)、営業利益39億8200万円(34.7%減)、経常利益41億5700万円(35.6%減)。主な取り組みでは、バンドル販売やシニアデー、子育て支援デーなどの販促を強化するとともに、「MiiL KASUMI」の拡大展開に取り組んだ。

12月1日オープンのフードスクエアカスミ東海中央店、2月17日オープンのフードスクエアカスミ友部旭店では、BLANDE Selection等の独自商品の品ぞろえを強化するとともに、DELY BREADでの対面販売やCafé & Dineの展開などで、地域シェアの拡大をめざす取り組みを開始した。また、植物性代替肉「ビヨンドビーフ」を活かした商品開発や、顧客の認知を深めるイベントWell-Being WeekendをBLANDEにて開催した。

マックスバリュ関東は営業収益434億5800万円(1.2%減)、営業利益5800万円(90.7%減)、経常利益4100万円(93.2%減)。取り組みでは「次に目指す水準へ成長するための構造改革実行の年」と位置付け、2店舗の大規模活性化と、小型のエクスプレス業態での買物体験型店舗1号店となるマックスバリュエクスプレス幕張店を開店した。

また、ネットスーパーの「オンラインデリバリー」やクイックコマースの「Uber Eats」の拡大展開に加え、新たに自社配送による「Order & Eat」も新規に取り組みを開始し、各種デリバリーサービスの充実による利便性の向上を進めた。

さらに、「Scan&Go ignica」に加え、「キャッシュレス専用フルセルフレジ」の導入展開を進め、非接触型チェックアウト手段の拡充によるレジ混雑の緩和、チェックアウト業務に携わる従業員の生産性の向上に取り組んだ。

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