セブン&アイnews|第3Q営収8兆5802億円2.8%減・経常3882億円4.9%増
(株)セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区、井阪隆一社長)が2024年2月期第3四半期の決算を発表した。2023年3月1日~11月30日の業績は、営業収益8兆5802億0700万円(前年同期比2.8%減)、営業利益4100億1900万円(3.8%増)、経常利益3882億3900万円(4.9%増)、純利益1821億6200万円(22.4%減)。営業利益、経常利益とも過去最高益となった。為替レートはUSドル当たり138.24円(前年同時期128.30円)で換算。
(株)セブン-イレブン・ジャパン、セブン‐イレブン・沖縄及び7-Eleven, Inc.における加盟店売上を含めた「グループ売上」は、13兆3446億2900万円(0.1%増)。また、第3四半期連結累計期間における為替レート変動に伴い、営業収益は4568億円、営業利益は164億円増加した。
国内コンビニエンスストア事業の営業収益は7000億6500万円(4.2%増)、営業利益は1990億0400万円(7.4%増)。セブン‐イレブン・ジャパンは、高齢化や単身世帯・働く女性の増加に加え、コロナ禍を通じて顕在化した購買行動の変化への対応により、「ファスト・フード等のオリジナル商品やセブンプレミアムの開発強化」「取り扱いアイテム数増加を図るための売場レイアウトの変更」「イベント感を演出する販売促進」等の取り組みを実施した。
また、デリバリーサービス「7NOW」については全国展開に向けた取扱店舗拡大及び体制構築等の取り組み強化に加え、昨年9月より「7NOWアプリ」を開始した。既存店売上は前年を上回り、営業利益は1997億0300万円(7.6%増)となった。
自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は4兆0502億9600万円(4.3%増)となった。
海外コンビニエンスストア事業の営業収益は6兆3577億1900万円(4.1%減)、営業利益2312億8700万円(1.6%増)となった。
北米の7-Eleven, Inc.は、引き続きインフレの進行と金融引締めに伴う景気減速の懸念に加え、COVID期間中の景気刺激策の終了により個人消費環境が厳しい状況にはあるものの、収益性の高いオリジナル商品(フレッシュフード、専用飲料、プライベートブランド商品)の開発と販売の強化、デリバリーサービス「7NOW」の取り組み強化、デジタル技術の活用による顧客ロイヤリティの向上に努めた。
また、昨年9月にヴァージニア工場が稼働させた。その結果、ドルベースの米国内既存店商品売上は前年を上回った。
自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は、商品売上が伸長したものの、ガソリンの価格下落と販売量の減少により、7兆6142億9900万円(2.3%減)となった。一方、商品荒利率の改善及び円安の影響等により、営業利益は3136億3200万円(2.6%増)となった。
2021年5月に取得したSpeedway事業との統合は順調に進捗し、今年度では8億米ドルのシナジー発現を見込んでいる。
7-Eleven International LLCでは、2025年度までに日本及び北米を除く地域で5万店の店舗網の確立、2030年度までに日本・北米を含めた全世界で30の国と地域での出店を目指す。新規展開国では、2023年1月にイスラエル、9月にはラオスに出店し、これにより世界のセブン-イレブンの展開エリアは20の国と地域となった。
スーパーストア事業の営業収益は1兆0863億0100万円(2.0%増)、営業利益は24億0500万円(69.7%増)となった。(株)イトーヨーカ堂は、収益性改善に向けた抜本的変革と成長施策の実行を進めている。2023年9月1日付でイトーヨーカ堂を存続会社とし(株)ヨークを消滅会社とする吸収合併を完了した。運営効率の最大化と販売力の強化で販管費削減や生産性改善に取り組んでいる。
売上高は前年を上回ったが、戦略投資インフラ整備に伴うコスト増加等により、70億3100万円の営業損失(前期は56億1700万円の営業損失)となった。
(株)ヨークベニマルは既存店の活性化、デリカテッセン等の開発及び販売強化の取り組みを進めた。人流回復に加え、原材料価格高騰に対し価格改定対応と販売促進施策が奏功し、既存店売上は前年を上回った。新店関連費用や人件費等の販管費は増加したものの、営業利益は127億2100万円(6.0%増)となった。
金融関連事業の営業収益は1557億9900万円(6.9%増)、営業利益は290億2000万円(3.1%減.)となった。(株)セブン銀行の国内ATM設置台数は2万7232台(前期比343台増)。
人流回復に伴う預貯金金融機関の取引件数の回復、資金需要増による消費者金融等のノンバンク取引増加に加え、各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引が高い水準を維持したことで1日1台当たりのATM平均利用件数は104.5件(4.1件増)となり、ATM総利用件数は前年を上回った。現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて9301億円。