しまむらnews|’23年売上高6351億円3.1%増・経常利益4.3%増/PB・JB強化

(株)しまむら(埼玉県さいたま市、鈴木誠社長)が2024年2月期の通期決算を発表した。

売上高は6350億9100万円(前年比3.1%増)、営業利益が553億0800万円(3.8%増)、経常利益が567億1600万円(4.3%増)、そして純利益が400億8400万円(5.4%増)と増収増益だった。

営業利益率は8.7%(8.7%)、経常利益率8.9%(8.8%)。( )は前年数値。

2023年度は、新型コロナによる行動制限がなくなったことで、外出需要が復活しつつも、節約志向が強まり、衣料品の販売にとっては厳しい消費環境だった。そのなかで、しまむらの中期経営計画の最終年度として、商品力と販売力の強化や事業の基礎と基盤の強化に目途をつけた。

主力のしまむら事業の売上高は、の4769億5700万円で3.3%増加した。商品面では、ブランド力を強化するため、自社開発プライベートブランド(PB)とサプライヤーとの共同開発ブランド(JB)に力を入れた。PBでは高価格帯の「CLOSSHI PREMIUM」を拡充。また暖か素材を使用した「FIBER HEAT」では、機能性を強化した「暖 SUPER PREMIUM」が好調だった。広告宣伝では、創業70周年企画でのインフルエンサーや有名タレントとのコラボ企画が集客に繋がった。デジタル販促の強化では、画像や動画編集の内製化を進め、作業スピードの向上と経費削減実現した。さらに在庫管理では、サプライヤーと連携した生地契約によって、売れ筋商品を短期サイクルで追加したことが売上げの向上に効果的だった。仕入原価上昇への対応として、貿易部を活用しASEAN生産の拡大を進めた。

カジュアルのアベイル事業の売上高は、616億8800万円で2.8%増。商品面では、レディースとメンズ衣料でJBのトレンド提案を強化した。韓国テイストの打ち出しや、平成ブランドとのコラボ企画を強化し、カップルコーデやインフルエンサー企画が好調だった。またキャラクター商品では、アベイルオリジナル商品の取り扱いを拡大したことが集客に効果的だった。個店対応では、店舗限定の品揃え、販促物の設置、チラシの配布などによって、対象店舗の売上げが増加した。

ベビー・子ども用品のバースデイ事業の売上高は、の727億0900万円で0.5%増。PBではサステナブル商品の拡大を進めている「BIRTHDAY PLUS(バースデイ プラス)」や、トレンド商品を拡大したジュニア向けJB「rabyraby(ラビラビ)」が売上げを伸ばした。一方で、巣ごもり需要の反動などによって衛生雑貨や玩具、インテリアの売上げが昨年を下回った。販促では、デジタルカタログ掲載商品をオンラインストアで販売するスキームの活用が奏功した。

雑貨&ファッションのシャンブル事業の売上高は148億3600万円で、1.3%増。商品面ではアウター衣料と服飾雑貨でJBの品揃えを強化した。JBの「tsukuru&Lin.(ツクル アンド リン)」では、インフルエンサーとのコラボ企画やオケージョン商品の品揃えを拡大し、売上げを伸ばした。一方で、巣ごもり需要の反動でインテリア雑貨やキッチン用品の売上げが昨年を下回った。販促では、新店・既存新店の認知度向上を目的としたチラシ配布を追加し、売上げの底上げを図った。

靴のディバロ事業の売上高は、8億2300万円の9.6%増と大きく伸びた。外出需要やオケージョン需要が増加したことによって、レディース・メンズのスニーカーやサンダルの販売が好調だった。服飾雑貨では新規サプライヤーの開拓が進み、バッグの売上げが大きく伸長した。 アウター衣料では、下期から品揃えと価格の見直しを行い、ニットやジャケットの販売が好調だった。販促では、内製化による機動的なSNS販促の実施や、気温に左右されにくいオリジナル企画の打ち出しを強化し、集客に繋げた。

台湾で展開する思夢樂事業は、売上高の16億85百万NT$(ニュー台湾ドル、80億7400万円)で10.6%増で好調だった。総合衣料の専門店として、台湾のお客にとって適時、適品、適量、適価な品揃えをするために事業の再構築を進めている。商品力の強化では、日本企画のPBやJB、台湾企画のPBの拡大によって、他社との差別化を図った結果、売上高に占めるPBとJBの割合は60.4%となった。

期末店舗数はしまむら1415店、アベイル312店、バースデイ324店、シャンブル118店、ディバロ16店、思夢樂42店の合計2227店となった。

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