イオンモールnews|営収4231億円6.3%増・経常371億円6.3%増

イオンモール(株)(千葉県千葉市、岩村康次社長)の2024年2月期決算は、営業収益は4231億6800万円(対前期比106.3%)と増収で過去最高を達成した。営業利益は464億1100万円(105.5%)、経常利益は370億8600万円(101.9%)といずれも増益となった。

カテプリ(北海道)の管理・運営業務終了を決定による店舗閉鎖損失引当金繰入額6億5000万円、減損損失19億6000万円等、特別損失36億6000万円を計上したが、前年度に、新型コロナウイルス感染症による損失30億3700万円、固定資産除却損24億9900万円、減損損失44億6100万円、店舗閉鎖損失引当金繰入額20億1700万円等、特別損失に132億2900万円を計上し、特別損益が前期比111億400万円改善したことから、税金等調整前当期純利益は363億7400万円(147.9%)となった。当期純利益は203億9900万円(157.0%)。

海外事業の営業収益は900億0900万円(116.3%)、営業利益は105億6500万円(107.4%)と増収増益。各国における営業概況は以下のとおり。海外現地法人の決算期は12月末となる。

中国の営業収益は589億8500万円(前期比112.3%)、営業利益は65億3700万円(98.5%)。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う一時休業期間中の固定費等29億1000万円を「新型コロナウイルス感染症による損失」として営業原価から特別損失に振替計上したこともあり、営業利益は9600万円の減益となった。2022年12月にゼロコロナ政策が緩和され、特に江蘇省、湖北省のモールを中心に客足は回復基調で推移した。7月28日には中国の旗艦店であるイオンモール武漢経開(湖北省武漢市)を増床リニューアルオープンした。連結会計年度の既存モール専門店売上は前期比130.3%(対象21モール)。

ベトナムの営業収益は152億6300万円(114.9%)、営業利益は39億0100万円(127.3%)と増収増益。4月以降、輸出製品工場の倒産による若年層の失業率増加等、外需低迷や電力不足に伴う経済成長鈍化の影響に加え、前年同期間が政府のウィズコロナ政策への転換によって、急伸した需要の反動もあったが、11月に実施したブラックフライデー企画等の集客強化策の効果もあり、前年並みのトレンドとなった。連結会計年度の既存モール専門店売上は前期比104.4%(対象6モール)。新型コロナ以前の2019年度対比では141.9%(対象4モール)。

カンボジアの営業収益は84億9900万円(149.8%)、営業利益は4億1100万円(35.9%)となった。2022年12月に3号店イオンモール ミエンチェイ(プノンペン都)開業により、営業収益は前期比増収となったが、想定客数の未達やコロナ下でのオープンによる空床の影響等もあり営業収益が想定した水準を下回ったため、減益となった。

新型コロナに伴う行動制限は大幅に緩和され、モールは通常営業した。既存モールでは、11月4日に1号店イオンモール プノンペン(プノンペン都)を増床リニューアルオープンしたが、増床エリアの一部区画での工事遅れや大型専門店との交渉が難航し、また、中国人旅行客を中心としたインバウンド需要の減少による影響を受けた。連結会計年度の既存モール専門店売上は前期比90.9%(対象2モール)。

インドネシアの営業収益は72億6000万円(前期比123.1%)と増収、営業損益は2億6900万円の損失(前連結会計年度は9億8700万円の損失)となった。2021年度にコロナ下でオープンした4号店イオンモール タンジュンバラット(南ジャカルタ区)の空床の影響等もあり営業損失となったが、その後、改善が進み、営業損益は前期比7億1700万円改善した。

また、人流の正常化、経済活動の活発化に伴い内需が堅調に推移したことから、モールの集客は改善基調となった。既存モールでは、1号店イオンモールBSD CITY(バンテン州)において、2021年の第1期リニューアルに続き、44店舗を刷新する第2期リニューアルを実施した。既存モール来店客数は前期比119.7%(対象4モール)。

国内事業の営業収益は3337億2200万円(103.7%)、営業利益は358億2100万円(105.0%)と増収増益となった。

5月8日より新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に引き下げられたことで顧客の外出意欲は改善、各モールでは集客イベントを継続的に実施した。また、イオンモールアプリやWAON POINT施策との連動等、マーケティングデータに基づく顧客の購買意欲を喚起する取り組み、ハロウィンやブラックフライデー、年末年始商戦における大型プロモーション等、さまざまな集客強化策を実施した。既存モール専門店売上は前期比105.6%(対象91モール)。

国内新規施設では、4月にイオンモール豊川(愛知県)、THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA(神奈川県)、10月に JIYUGAOKA deaone(東京都)、12月にCeeU Yokohama(神奈川県)をオープンした。

新規開業の4施設はいずれも使用電力の100%を実質的にCO2フリー電力で賄う施設運営であり、地球温暖化防止および脱炭素社会実現に向けた取り組みを推進している。また、既存モールでは13モールでリニューアルを実施した。

関連カテゴリー

決算 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧