ABCマートnews|年商3442億円18.7%増・経常利益33.4%増の増収増益

(株)エービーシー・マート(東京都渋谷区、野口実社長)が 2024年2月期の本決算を発表した。

2023年3月1日~2024年2月29日の業績は、売上高3441億9700万円(前年比18.7%増)、営業利益556億7100万円(31.6%増)、経常利益578億3400万円(33.4%増)、そして四半期純利益400億0900万円(32.2%増)の増収増益だった。

営業利益率16.2%、経常利益率16.8%。

シューズ業界においては、世界的なインフレの進行とインバウンド需要の高まりにより、コロナ禍に縮小したマーケットが回復してきた。消費動向としては、エネルギーや食料品などの価格上昇により、顧客の価格志向は消耗品と嗜好品とで二極化が鮮明になったが、トレンド商品としての靴需要は一定程度増加傾向にある。商品トレンドは、新作スニーカーを中心としたスポーツ系カジュアルに加え、旅行やレジャーなどアウトドア系ファッションの需要が拡大している。

このような状況のなか、同社グループはデジタルコマースの活用、グランドステージと複合業態店舗の拡大、スポーツシューズとスポーツアパレルを含めたライフスタイルカジュアルの拡充に対応している。

期中は国内外合わせて79店舗の新規出店を行い、70店舗の改装を実施した。2月末時点での店舗数は1487店となった。

国内事業の売上高は2378億7400万円(20.1%増)、セグメント利益は457億2500万円(30.6%増)。
販売戦略としては、昨秋以降、日本、韓国、台湾、ベトナムの4カ国で新作シューズを同時リリースするなど、プロモーション活動をグローバルに展開した。商品展開としては、日本限定での発売や「ABC-MART」限定での発売となった新作スニーカーを中心にナショナルブランドの限定商品の販売に注力した。

国内店舗では、下期に入って都心部の大型路面店の売上げがコロナ前の水準にまで回復した。通期の売上高増収率(通販含む)については「OSHMAN’S」を除き、全店で前期比17.2%増、既存店で16.8%増となった。インバウンドの増加により、物価上昇下においても高単価スニーカーの販売が好調だったことと、アパレル売上げの伸長により、既存店の客単価が前期比8.8%上昇した。オンライン販売については、デジタル売上高(実店舗におけるEC在庫の販売分を含む)が前期比5.6%増となった。

郊外のショッピングセンターを中心に45店舗を出店した。トレンドアイテムとスポーツアパレルの拡充を図るため、「GRANDSTAGE」と「ABC-MART SPORTS」の出店を拡大した。業態変更を目的としたスクラップアンドビルドと好立地への移転を実施したため、34店舗の閉店を行った。2月末時点の店舗数は1095店。

既存店活性化では、「GRAND STAGE」や「ABC-MART SPORTS」への業態変更と2バナー以上の複合業態への転換を伴う増床改装を積極的に進めた。今期中の改装は45店舗で、このうち26店舗で増床、32店舗で業態変更を実施した。

既存店では、増床改装を中心に55店舗の改装(うち35店舗は増床改装、27店舗は業態変更)を実施した。「ABC-MART」や「ABC-MART SPORTS」など複数のバナーを一カ所に集めた複合業態店舗の出店拡大を積極的に進めた。その結果、2月末時点の「GRANDSTAGE」は87店舗、複合業態店舗は103店舗となった。なお、当連結会計年度から連結の範囲に加わった(株)オッシュマンズ・ジャパンが運営する「OSHMAN’S」は国内店舗数に含めている。

海外事業の売上高は1075億8600万円(15.4%増)、セグメント利益は98億9300万円(37.0%増)。
韓国では、トレンドアイテムの販売が好調だったことから、売上高は前期比15.4%増の663億2200万円。台湾では、国内マーケットは競争が激しいものの国内需要の取り込みが堅調だったため、売上高は前期比18.8%増の117億5700万円。米国では、DTCとeコマース事業が好調だったことから、売上高は前期比13.0%増の292億2900万円。

韓国22店舗、台湾7店舗、米国1店舗、合計34店舗の新規出店を行い、韓国14店舗、台湾11店舗を閉店した。2024年2月末の海外店舗数は、韓国316店、台湾63店、米国8店の合計354店(海外連結子会社はいずれも12月決算)。

次期は、売上高3658億円(6.3%増)、営業利益587億円(5.4%増)、経常利益597億円(3.2%増)、当期純利益403億円(0.7%増)を見込む。

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