セブン&アイ 2014年2月期のグループ売上高は10兆円目前の9兆5978億円
セブン&アイ・ホールディングス(HD)が3日発表した2014年2月期連結決算は、売上高に営業収入を加えた営業収益が前年同期比12.8%増え、5兆6318億円となった。セブン-イレブン・ジャパンと7-Eleven, Inc.のチェーン全店売上げを含めたグループ売上高は9兆5978億円(同12.8%増)で、10兆円が目前となった。コンビニエンスストア事業が同33.2%と大幅に伸びたことに加え、金融関連事業の増収も寄与した。セブン&アイ・グループのプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」の売上高は、期初計画の6500億円を上回って6700億円(同36.7%増)となった。
営業利益は3396億円(同14.9%増)で、日本の小売業として初めて3000億円の大台に乗せた。営業利益は前期から約440億円増加したが、その8割以上を稼いだのはコンビニ事業。「SEVEN CAFÉ(セブンカフェ)」の販売が好調だったことに加え、PB「セブンプレミアム」や「セブンゴールド」の品ぞろえを強化したことで、既存店売上高と粗利益がともに伸びた。
経常利益は3390億円(同14.6%増)、当期純利益は1756億円(同27.3%)で、大幅な増収増益となった。
セブン&アイ・グループをけん引するコンビニ事業では、セブン-イレブン・ジャパンが昨年9月に全店導入を完了した「SEVEN CAFÉ(セブンカフェ)」の販売数量が累計で4億5000万杯を突破した。出店政策でも前期は過去最高の1579店舗を出店。その結果、14年2月末の店舗数は前期末から1247店舗増え、42都道府県で計1万6319店舗となった。7-Eleven, Inc.の北米事業もフレッシュフードやアルコール飲料などの売上げとガソリンの粗利額が増加したことに加え、円安の影響もあり増益だった。
スーパーストア事業は、イトーヨーカ堂で「GALLORIA(ギャローリア)」など衣料品PBの改革が実を結んだ。値下げロスを減らし、売上げが伸びた結果、粗利率が改善した。その衣料品部門の立て直しを主導した戸井和久取締役常務執行役員衣料事業部長が、5月15日付で代表取締役社長最高執行責任者(COO)兼商品本部長に就任する。食品スーパーマーケットのヨークベニマルも、「生活提案型食品スーパー」をコンセプトにした売り方の改革によって、既存店売上高が前期を上回って増益となった。一方、中国事業は営業減益だった。
百貨店事業はそごう・西武が高額品の販売が伸びて既存店売上高が前年を上回り増益だったものの、ロフトが減益となり、事業全体としては減収減益だった。
フードサービス事業は、デニーズを展開するセブン&アイ・フードシステムズで高付加価値メニューを投入したことなどにより、既存店売上高が前期を上回り増収となった。営業利益は一時的な費用が発生したことにより減益。
コンビニ事業と並ぶ稼ぎ頭の金融関連事業は、セブン銀行とノンバンク事業がともに増益となった。14年2月末のATM設置台数は前年同期末から1472台増えて1万9394台に拡大した。クレジットカード会員数は「セブンカード」が350万人(同13万人増)、「クラブ・オン/ミレニアムカード セゾン」が328万人(同7万人増)。電子マネー「nanaco」は発行総件数が2839万件(同694万件増)で、利用可能店舗数は約14万2900店舗(同約2万1900店舗増)に増えた。
2015年2月期は、高付加価値商品の開発に注力するほか、ニッセンホールディングスやバルス、バーニーズジャパン、ダイイチ、天満屋ストアなど前期に資本業務提携した各社の力を活用し、マルチフォーマットの展開によってリアル店舗とネットを融合するオムニチャネル化を進める。「セブンプレミアム」は前年同期より1300億円多い8000億円の売上げを計画する。連結業績予想は営業収益6兆1300億円(同8.8%増)、営業利益3560億円(同4.8%増)、経常利益3540億円(同4.4%増)、当期純利益1840億円(同4.7%増)とした。
なお、セブン-イレブン・ジャパンと7-Eleven, Inc.のチェーン全店売上げを含めたグループ売上高は10兆2000億円(同6.3%増)と、初の10兆円越えを計画。世界トップクラスの小売企業を目指して着実に歩を進める。
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