イオンnews|通期業績予想の下方修正/過去最高収益も粗利益率低下
イオン(株)(千葉市美浜区、吉田昭夫社長)は2025年2月期の業績予想を修正した。2024年4月10日に公表した業績予想に対して、営業収益10兆1340億円(1340億円増)。これは過去最高数値。営業利益2370億円(330億円減)、経常利益2240億円(360億円減)、当期純利益285億円(175億円減)。( )内は修正額。
営業収益は、消費者の節約志向が高まる中、消費喚起策に取り組んだ結果、食品・日用品を中心とする必需品の売上げが底堅く推移、トップバリュの拡販強化も奏功したことで増収となった。すべてのセグメントで増収の見通し。なかでも国内外でカードショッピング取扱高などが増加した総合金融事業、いなげやを新規連結化したSM事業が全体をけん引した。
一方、営業利益は、物価高や気候変動に伴う消費行動の変容などにより、小売事業の粗利益率の改善が進まず減益となった。セグメント別では総合金融事業、ディベロッパー事業およびサービス・専門店事業が増益を確保する見通し。
また、下期以降、トップバリュ・ベストプライスを軸とした価格訴求や粗利額確保をグループ方針として打ち出すとともに、経費計画を再検討し、人時管理の意識を徹底して高め、生産性向上を図ってきた。これらの取組みにより粗利額改善や費用最適化が進み、下期は営業利益および経常利益が過去最高となる見通し。
当期純利益は、総合金融事業におけるカード不正利用被害による一過性の損失計上に加え、中国で展開する各事業やディベロッパー事業、ヘルス&ウエルネス事業におけるエリア戦略や出店計画を抜本的に見直す中で、減損損失や閉店関連損失を計上し、減益の見通し。