ヤマザワnews|年商1026億円0.7%増・経常損失4億円/新「中計」で再起
(株)ヤマザワ(山形県山形市、古山利昭社長)は2025年2月期の売上高は1025億5800万円(0.7%増)、営業損失8億2100万円(前期は6億2500万円の営業利益)、経常損失4億0700万円(前期は6億7700万円の経常利益)、純損失26億1700万円(前期は4億5100万円の純利益)。
売上高は微増だったが、利益面では、人件費やエネルギー価格などの上昇が予想を上回ったことや、原材料高騰による価格転嫁がスムーズに行えなかったことによる粗利益高不足により、営業損失となった。
また、2025年2月期中間期においての繰延税金資産の一部取り崩しや、店舗および工場の固定資産の減損処理による特別損失計上により26億1700万円の純損失となった。
前期は第3次中期経営計画の最終年度であり、顧客創造、新たな生産性の獲得、収益構造改革を重点課題として取り組んできた。
主力事業のスーパーマーケットでは、顧客の創造のために、顧客の来店動機や購買動機を高めるために、「ヤマザワブランドづくり」に注力した。惣菜では「健康」をテーマにした、新シリーズの商品開発・拡大や、農林水産省推奨の野菜摂取運動と連動した野菜350g運動と題した販促企画や売場づくりを展開した。フレッシュサラダコーナーなど即食性の高い売場拡大、既存商品を増量した商品開発などの取組みを進めている。
また、顧客の利便性向上を目的とした移動スーパー「とくし丸」事業を拡大し、山形県内15台、宮城県内4台、秋田県内9台の合計28台が稼動させている。店舗運営面では、2024年3月より(株)ヤマザワ薬品が運営するドラッグストア「ドラッグヤマザワ」とともに「楽天ポイントカード」と「楽天Edy」機能を搭載した「ヤマザワEdy‐楽天ポイントカード」への切り替えを行った。新たな生産性の獲得に向けては、DX推進を進め、AI自動発注システムの拡大やセルフレジの増設を実施した。
店舗面では6店舗の改装を実施した。1店舗を閉店した。期末のスーパーマーケット店舗数は山形県内44店舗、宮城県内19店舗、秋田県内7店舗の計70店舗。スーパーマーケット事業の売上高は897億3100万円(0.8%増)。
ドラッグストア事業では、2024年3月に「ドラッグ上山金生店」(山形県上山市)を新規開店した。営業面では、全国的な健康被害に端を発したヘルスケア商品の伸び悩みや天候不順による化粧品への影響などもあり、売上高は128億2100万円(0.7%減)となった。
ヤマザワは、2026年2月期から2028年2月期を最終年度とする第4次中期経営計画を策定した。早期黒字化と安定収益の確保、店舗戦略の精緻化、サステナビリティの推進、人材の育成と制度改革、風土づくり、組織基盤整備の6つを経営課題として取り組む。2026年2月期の売上高1030億円、営業利益4億5000万円、経常利益5億円、当期純利益7000万円を見込む。