Weekly Review|25年度各社決算発表/2大小売りトップの順位変動
2026年4月6日から10日にかけて、小売業各社の決算発表が集中した。全体として増収基調が明確で、既存店の堅調な推移や値上げに伴う客単価アップが寄与した。一方で、利益面は企業ごとに濃淡があるが、人件費や物流費を始めとした販管費上昇が営業収益総利益上昇を相殺する傾向が目立った。

収益状況は企業・業態によって大きく分かれた。「増収増益」「増収減益」「減収」の分類でみていこう。
「増収増益組」はイオンが筆頭。営業収益10兆7153億円(対前期比5.7%増)、営業利益2705億円(13.8増)、経常利益2430億円(8.4%増)となり、営業収益と営業利益、経常利益が過去最高を更新した。営業収益はセブン&アイを抜いて国内小売業トップとなった。
ドラッグストアではツルハホールディングスはウエルシアホールディングスとの経営統合により断トツのドラッグストアチェーンとなった。営業収益高1兆4505億円、営業利益933億円と堅調だった。スギホールディングスは営業収益15.1%増、経常利益19.2%増。調剤併設の強みが継続して増収増益を支えた。
クリエイトSDホールディングスは営業収益7.9%増、経常利益6.4%増。調剤併設と日用品需要が寄与。引き続きドラッグストアの安定した収益が目立つ。
専門店チェーンでは、ファーストリテイリングが営業収益14.8%増、営業利益31.7%増。グローバル展開が絶好調だった。良品計画は営業収益14.9%増、経常利益35.5%増。生活雑貨・衣料の回復と海外事業が牽引した。ABCマート営業収益1.7%増、経常利益3.9%増。
MrMaxホールディングスは営業収益8.1%増、経常利益19%増。ディスカウント業態らしい強さが際立った。キャンドゥは営業収益4.4%増、経常利益67.7%増。バラエティショップの需要が継続している。
スーパーマーケットではライフコーポレーションが営業収益3.6%増、経常利益3.3%増。ベルクが営業収益9.2%増、経常利益4.5%x増。ハローズは営業収益7.1%増、経常利益2.2%増。この3社は盤石ぶりをみせた。
また、沖縄県に拠点を置くサンエーは営業収益3.5%増、経常利益1.7%増となった。オークワは営業収益1.0%増ながら経常利益36.8%増。コストコントロールに注力して、増収増益組入りした。
「増収減益組」はスーパーマーケットを中心に利益確保の壁が鮮明となった。共通要因は光熱費、人件費、物流費の上昇だ。ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)はいなげやが加わることで営業収益18.8%増と大幅増収となったが、販管費増により、経常利益20%減となった。
マックスバリュ東海は営業収益2.9%増、経常利益2.2%減となった。フジは営業収益0.7%増、経常利益12.5%減。総合スーパー、スーパーマーケットを擁する中四国のリージョナルチェーンとして堅調に増収を維持したが、販管費増を吸収するまでに至らなかった。
「減収組」で最も注目すべきはセブン&アイ・ホールディングス。営業収益12.9%減だが、経常利益0.8%増。減収増益となった。イトーヨーカ堂を始めとするスーパーストア事業を連結対象から除外したことで減収となったが、一方で利益改善が進んだことを示している。
また減収組は構造課題が深刻な企業が多い。イオングループの靴専門店チェーンのジーフットは営業収益569億円ながら経常損失26億円。イオンによる完全子会社化が発表された。ミニストップは営業収益4.9%増だが経常損失31億円。コンビニ業界の中でも中下位チェーンの差別化が難しくなっている。
