ヤオコー第2四半期はEDLP政策とFSPで2ケタ増収増益

㈱ヤオコーの第2四半期が絶好調だ。

 

11月に5日発表された第2四半期までの数値は、
営業収益1491億7600万円、昨年同期比113.3%、
営業利益79億2400万円、同124.9%、
経常利益78億5100万円、同124.9%、
純利益48億6400万円、同129.0%
の文句なしの増収増益。

 

同日付で27年度3月期の連結業績も3000億円の大台へと修正された。

 

好業績の1つは、消費税引き上げの影響による落ち込みが想定より少なかったこと。落ち込み幅の減少はどのスーパーマーケット企業も同じ。食品を扱う業態の強みといえる。しかし、どの企業も増収増益だったわけはないし、2ケタの増収増益はヤオコーの凄さを改めて示している。

 

今年度はヤオコーの第7次中期経営計画の最終年度。
ヤオコーは「豊かで楽しい食生活提案型スーパーマーケット」を掲げ、「ミールソリューションの充実」を推進してきたが、近年ではその上に「価格コンシャスの強化」を揚げて、ヤオコー流EDLP(常時低価格販売)に取り組んできた。

 

ヤオコーの言う「ミールソリューション」とは、お客さまの毎日の食事の献立の提案や料理のアドバイスなど食事に関する問題の解決のお手伝いをすること。さらに「価格コンシャス」とは、お客さまが買いやすい値段、値頃(ねごろ)を常に意識して価格設定を行なうことを指す。

 

ヤオコー会長の川野幸夫さんは語る。
「コモディティ商品は共通の値ごろがある。ライフスタイル商品は個店によってそれぞれ値ごろがある」

 

この値ごろを見つけ、ターゲット層に適切なマーケティング施策を行うために、ヤオコーでは2012年から、ポイントカード等でお客さまの購買データを分析して、個々のお客さまに最も適した商品・サービスを提供するFSP(フリークエントショッパーズプログラム)を導入。その成果が上がってきている。

 

増税後の4月からは、低価格を打ち出した「いい値!なっ得!」など新たな販促企画で、価格志向を強めたお客へ対応したことも好結果につながった。

 

商品面ではプライベートブランドの開発が進んでいる。自社ブランドの「Yes!YAOKO」、ライフコーポレーションとの共同開発PB「Star select」の2本立て。また「デリカ・生鮮センター」を6月16日より稼働。来年には、惣菜の連結子会社「三味」を経営統合し、生鮮と惣菜の両部門の連携を強化する予定だ。

 

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5月にミノリア稲毛海岸店(千葉県千葉市)、6月に秦野店(神奈川県秦野市)、相模原光が丘店(神奈川県相模原市)、7月に鴻巣免許センター前店(埼玉県鴻巣市)の4店舗をオープン。既存店改装も10周年を迎えたショッピングセンター「ワカバウォーク」をはじめ、4店舗実施。

 

一方、調剤薬局事業の株式会社日本アポックは、9月末現在40店舗を展開。
既存店が順調に推移した結果、営業収益は52億9000万円(前年同期比3.4%増)。
ただし、今年4月からの診療報酬・調剤報酬及び薬価改定等の影響を受け、営業利益は3億5100万円(同7.7%減)となっている。

 

平成26年11月13日(木)には、埼玉県春日部市に「ヤオコー ララガーデン春日部店」を開店する。この春日部店のオープンで、埼玉県78店舗、千葉県22店舗、群馬県13店舗、茨城県7店舗、東京都7店舗、神奈川県6店舗、栃木県5店舗と、138店舗をネットワークする。

 

潤沢な市場の首都圏は競争が激しさを増してきた。
来春には、イオンのマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東連合「ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス」が誕生するし、イオンのまいばすけっと、アコレも台風の目。
さらに、ヤオコーの盟友ライフコーポレーション、サミット、いなげや、エコスなど競争は激しい。もちろん、イトーヨーカ堂、イオンリテールも存在する。
その中で、自社のポジショニングを築く企業が勝ち残る。
それを一歩リードしているのがヤオコーだ。

 

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