セブン&アイニュース|営業収益5.8兆円▲3.5%/経常4.1%増の減収最高益
(株)セブン&アイ・ホールディングスは4月6日、2017年2月期の連結業績(2016年3月1日~2017年2月28日)を発表した。
営業収益は5兆8356億8900万円(前年同期比▲3.5%)、営業利益は3645億7300万円(同3.5%増)、経常利益は3644億500万円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期利益は967億5000万円(▲39.9%減)となった。営業利益、経常利益は6期連続で、過去最高を更新。
この営業収益対比の営業利益率は6.2%、経常利益率は6.2%と全体の収益性は依然、第一級の企業だ。
営業収益は、金融関連事業が増収となったものの、為替レート変動に伴う円高影響により2109億円減少した。また、スーパーストア事業、百貨店事業、通信販売事業の減収により、3.5%の減収となった。
営業利益は為替レート変動により減少したが、コンビニエンスストア事業、スーパーストア事業、金融関連事業の増益により、経常利益とともに、それぞれ6期連続過去最高の数値を達成した。
グループ各社のオリジナル商品については、新商品開発を推進。既存商品のリニューアルを積極的に実施。品質向上と新しい価値の提案を図った。
PBのセブンプレミアムの売上高は1兆1500億円(前年同期比14.9%増)、セブンプレミアムを含めたグループのオリジナル商品売上は3兆2000億円(同6.7%増)となった。これらが営業利益や経常利益の向上を牽引した。
オムニチャネル戦略は、グループ統合ポータルサイト「omni7」における商品力を強化した。Eコマースを中心に不特定多数の顧客にアプローチする戦略から、国内のグループ店舗に日々来店する2200万人のカスタマーにフォーカスする戦略に変更した。さらに各社共通のポイントプログラムなどが利用可能なスマートフォン用アプリケーションの開発に着手した。つまりセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングのマーケティングを志向した。ただし、セグメントとターゲットの設定は果たしたが、肝心のポジショニングはまだまだ途上。「omni7」の画面を見ればそれは一目瞭然だ。
親会社株主に帰属する当期純利益は、主にスーパーストア事業と百貨店事業の店舗に係る減損損失、百貨店事業に係るのれんの減損損失等を含む特別損失を計上したため減益となった。
以下、事業別・業態別の収支を見ておこう。
コンビニエンスストア事業の営業収益は2兆5506億400万円(前年同期比▲4.7%)、営業利益は3131億9500万円(同3.0%増)となった。
(株)セブン-イレブン・ジャパンは、当連結会計年度末時点で1万9422店舗(前期末比850店舗増)を展開。積極的な立地移転を実施し、新規出店における基準をより厳しく見直した。
商品については、サンドイッチやフライヤーなどの基本商品の積極的リニューアルを実施した。これらの結果、既存店売上伸び率は2012年8月以来55カ月連続でプラスとなった。
北米の7-Eleven,Inc.は2016年12月末時点で8707店舗(前期末比207店舗増)を展開。都市部への出店を進めた。2016年7月にはアメリカCST Brands社の店舗を取得。同9月からはカナダImperial Oil社の店舗を段階的に取得した。結果、当連結会計年度におけるドルベースの米国内既存店商品売上伸び率は前年を上回り推移したが、為替レート変動に伴う影響で、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン店全店売上は2兆7351億9900万円(前年同期比▲7.3%)となった。
中国では、2016年末時点で北京市に219店舗、天津市に82店舗、成都市に67店舗運営している。
スーパーストア事業の営業収益は2兆255億3400万円(前年同期比▲1.7%)、営業利益は229億3000万円(同216.6%増)となった。
総合スーパーの(株)イトーヨーカ堂は、当連結会計年度末時点で171店舗(前期末比11店舗減)を運営している。テナントミックスによる売場構成の見直しや15店舗の閉鎖等事業構造改革を実施した。当連結会計年度における既存店売上伸び率は前年を下回ったが、販促費の抑制や粗利益率の改善、衣料品の在庫適正化等により収益性は大幅に改善した。
食品スーパーでは、当連結会計年度末時点で(株)ヨークベニマルが南東北地方中心に213店舗(前期末比8店舗増)、(株)ヨークマートが首都圏中心に78店舗(同2店舗増)を運営している。
ベビー・マタニティ用品を販売する、(株)赤ちゃん本舗は、当連結会計年度末時点で106店舗(前期末比3店舗増)を展開している。
中国における総合スーパーは、2016年12月末時点で成都市に6店舗、北京市に2店舗展開している。
百貨店事業における営業収益は8521億7400万円(前年同期比▲3.7%)、営業利益は36億7200万円(同▲4.2%)となった。
(株)そごう・西武は、当連結会計年度末時点で19店舗(前期末比4店舗減)を運営している。既存店売上高は、衣料品中心に伸び悩み、前年を下回った。事業構造改革に基づき、2017年2月末までに「そごう柏店」「西武旭川店」「西武八尾店」「西武筑波店」の4店を閉店した。
生活雑貨専門店を展開する(株)ロフトは、当連結会計年度末時点で109店舗を運営している(前期末比7店舗増)。
フードサービス事業における営業収益は825億6200万円(前年同期比▲1.5%)、営業利益は5億1500万円(同▲43.8%)となった。
(株)セブン&アイ・フードシステムズは、当連結会計年度末時点で815店舗(前期末比36店舗減)、うちレストラン事業で386店舗(同3店舗減)を運営している。
金融関連事業における営業収益は2019億3200万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は501億3000万円(同0.9%増)となった。
(株)セブン銀行における当連結会計年度末時点のATM設置台数は、主にセブン-イレブン・ジャパンの積極的出店に伴い、前期末比965台増の2万3353台まで拡大した。
カード事業においては、(株)セブンCSカードサービスがそごう・西武店舗の一部閉店などで取扱高が減少したが、(株)セブン・カードサービスはクレジットカード事業、電子マネー事業ともに、取扱高が増加し、順調に推移した。
通信販売事業における営業収益は1392億2600万円(前年同期比▲12.3%)、営業損失は150億9700万円となり、前連結会計年度と比べ、66億4500万円損失が拡大した。
2016年11月1日に完全子会社の(株)セブン&アイ・ネットメディアの株式交換により、(株)ニッセンホールディングスを完全子会社化した。
2018年2月期の連結業績予想では、営業収益が6兆1000億円(前年同期比4.5%増)、営業利益3865億円(同6.0%増)、経常利益38500億円(同5.7%増)となっている。
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